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帚木蓬生 安楽病棟 [作者は行]


安楽病棟 (新潮文庫)

安楽病棟 (新潮文庫)

  • 作者: 帚木 蓬生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2001/09
  • メディア: 文庫


ストーリーは様々な症状の老人が暮らす痴呆病棟で起きた
相次ぐ患者達の急死。
新任看護士が気付いた衝撃の事実とは・・・
現在の終末期医療の問題や医療問題なと様々な点を鮮明に描かれたミステリー。

この作品では新人看護士が痴呆病棟を自ら選んで働いています。
痴呆と一言でいってもその症状は十人十色で対処が大変なことが伺えます。
こんな事までするのかと思うくらい事細く仕事をこなしているので、
実際に現場で働かれている方は本当に尊敬してしまいます。

看護士が看護大学生の時の先生の講義での言葉もどれも印象的でした。
看護ということ。
看というのはどういう字を書きますか?
手と目で成り立っています。その2つで患者さんを護るのが看護です。
『手考足思』という言葉も看護では大切ということ。
頭で考えた形には、ろくなものはないと言います。
けれどこれが看護の精神そのものだということで、
机の上ばかり考えるばかりでなく患者さんのすぐ側ですぐに何かあったら
駆けつけ、手を触れ見守るということ。

痴呆病棟というのは他の病棟とは違い、
月日が流れてもそこから出る事がなかなか無いです。
普通の病棟ならば病気が治れば退院しますが、痴呆病棟では退院するというのは
最期を迎えてしまった時です。
そう思うとこの病棟は特別で切ない感じがしました。

この作品の中では終末医療の事が細かく書かれていて、
特に安楽死については考えさせられることがありました。
日本では安楽死についてはまだ尊厳死があるのでまだ確立していないですが、
オランダではある程度形になっていてそのうちきちんとした法律化がされるそうです。

既に日本も高齢化社会に入っていて、これから益々高齢化社会になります。
個人でも考える事も多々ありますが、
国ではまだまだ追いついていないのが実状だと思います。

読んでいる時は医療テーマが主だったのですっかりそちらに気を取られてしまっていました。
けれど、その中にミステリーが隠れているので読破した時は満足感で満ち溢れました。

とにかく痴呆介護について事細かに書かれているので、
それを知っただけでも勉強になりました。

いつかは誰もが老いを通る道です。
老いとは何か?医療とは何かも考えさせられました。


HPのYuimiko's MemoriesのGalleryにも本の紹介をしているので、
そしちらも良かったら見てみて下さい。
http://happy1996.web.fc2.com/
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コメント 2

いー

なんか怖い題ですね。
安楽死の話?
痴呆の介護のお話ですか?
日本の企業、政治家、官僚、医療制度もろもろしっかりしてればこういう話も書かなくていいのになε= (´∞` ) ハァー
by いー (2009-02-02 23:27) 

yumi

いーさんへ
帚木さん自身の経歴がテレビ局を勤務してから医師になったので
医療の現場がかなりリアルです。
痴呆の介護が主な話ですが、安楽死の話が入る事によって
よりミステリーになっています。
医療制度がしっかりしていればこんな本は出ないかもしれないですね。
by yumi (2009-02-05 20:41) 

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