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益田ミリ 夜空の下で [作者ま行]


夜空の下で (集英社文庫 ま 22-2)

夜空の下で (集英社文庫 ま 22-2)



ストーリーは遠い夜空を見上げると、そこには無数の星が見える。
帰り道、仕事の合間、散歩中。
それぞれの場所から夜空を見上げる人々を描き出すマンガ24編。
天文台職員のコラム天体イベントカレンダーも収録。

益田ミリさんのいつものエッセイかと思い手にしましたが、
読み始めてみたら天文台に勤めている方とのコラボでした。

あまり宇宙の事に詳しくはないですが、
初歩的な事から丁寧に説明されているので分かりやすいです。

宇宙のことに対して漫画では身近に例えて描かれていたり、
そのちょっとした一言にまた閃きや人生の教訓などが
書かれているので共感してしまうことが多々ありました。

一瞬の美しい光を奇跡的に出来た地球の歴史の中で、
その光が見れるが偶然としか思えなくとても貴重なことだと
改めて思えてしまいました。

普段夜空を見上げる時間が少ないですが、
色々な偶然などを思いながら見ながら
思いを馳せるのも良いものだと思いました。

星にしても、人にしても私たちは
奇跡的な巡り合わせの中から暮している。
そんな巡り合わせだから大切にしたいと思い、
そして宇宙から見れば人間の悩みなんてちっぽけだということ。
小さなスケールの中で考えるのではなく、
時には宇宙のように大きなスケールで物事を
捉えるということも必要だなと思わされました。

天文イベントカレンダーが収録されているので
これから訪れる天体ショーに役立ちそうです。

まだ完全には宇宙の事を理解していないことがあるので、
またゆっくりと読み返してみたいと思います。
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短編少女 三浦しをん、荻原 浩、中田永一他 [作者ま行]


短編少女 (集英社文庫)

短編少女 (集英社文庫)



ストーリーは人気作家が「少女」をキーワードに紡いだ短編9本を収録したアンソロジー。
少女の微妙な心情や確かな成長が感じられることはもちろん、
各作家の個性も楽しむことができる贅沢な1冊。

てっぺん信号 三浦しをん
空は今日もスカイ 荻原浩
やさしい風の道 道尾秀介
ガーデン 中島京子
宗像くんと万年筆事件 中田永一
haircut17 加藤千恵
薄荷 橋本紡
きよしこの夜 島本理生
イエスタデー 村山由佳

今人気の作家さんが少女をテーマにした
短編作品のアンソロジーということで、
どれもそれぞれに個性が出ていて、
多感で揺れ動く少女をあらゆる角度から描かれていて
少女から大人になる微妙な心理描写が楽しめました。

女子独特な世界観が幼い頃から携えていますが、
大人の女性の世界とはまた少し違い
少女らしい繊細な心の世界観を味わえて
懐かしくもあり甘酸っぱい思いでいっぱいになりました。

特に印象的だった作品は「てっぺん信号」、
「宗像くんと万年筆事件」、「きよしこの夜」、
「イエスタディズ」。

「てっぺん信号」は切ない乙女心が上手く描かれていて、
あることで知り合うきっかけとなった初老の女性。
つっけんどな口調だけれど重みのある言葉の数々。
一番の問題は、悔いのない、だれに恥じることもない生き方を
死ぬまでできるかどうかだと思うんだけど、ちがう?
こうやって若い人も歳を重ねている人かた何かを吸収して
光りのある方へ目指していくというのは良い事だなと思いました。
一つ一つの言葉が大切に綴られているようなストーリーにも感じました。

荻原浩さんの「空は今日もスカイ」は読んでいくうちに
何処かで読んだことがあるフレーズだと思って解説を見てみると、
「海の見える理髪店」の中に収録されていたものでした。
また読んでみるとリズミカルな言葉で少女らしい世界が広がっていて
幼い頃の気分が味わえました。

「宗像くんと万年筆」は小学校が舞台となって、
唯一のこの本の中ではミステリーということもあって
他の作品とは違う切り口から少女が描かれています。
宗像くんの本格的な謎解きと不思議なキャラクターにが印象的です。
そんな彼に迷いながらも手を差し伸べてくれた女の子
微妙な心が描かれているのも良かったです。

「haircut17」は17歳という何をするにても
中途半端な年齢のことに対して、
その年頃のような文体で書かれていたような気がして、
軽くもあり重くもある言葉の綴りのようでした。
ストーリーも他と比べると薄い感じで
まるでコバルト文庫を読んでいる感覚でした。

「きよしこの夜」はこの年頃でもいくら親しい友達に
でも誰にも言えないことが
更に悲しくも辛い出来事が心の中でいつまでも残って、
前に進もうとしても進めない悩める少女の心の描写が
リアルでとても切なかったです。
でも最後には苦しかった時間が終わりの兆しが見えて。
誰かに言って欲しかった言葉。
もらうのではなく、あげることで、救われることもある。
という言葉で読み手としても心が救われた思いがしました。

「イエスタデイズ」は唯一過去の回想から少女時代を振り返っています。
少女時代に誰でも身近な男の子が急にこんな風になったり、
それまで何も意識していなかったことがあることをきっかけに
男性というのことを意識してしまうという
どこかほろ苦いような経験が綴られています。
そしてそんな思いからある曲をきっかけにして
偶然の再会に遭遇することに。
ラストにはドラマチックになってこの先の展開が楽しみになってしまいました。

女性は自らのそれぞれの時代と成長過程と重ね合わせながら
アルバムをめくっていくかのように読んで楽しめるかと思います。

男性は男性とはまた違う繊細な心の移り変わりを読み取ってくれると
日頃の女性との付き合い方も少しは分かってくれるかなとも思いました。

読んだことのない作家の作品がここで読めて
けっこう気に入った作品もあったので
これをきっかけに他の作品も読んでみたくなりました。

東野圭吾 虚ろな十字架 [作者は行]


虚ろな十字架 (光文社文庫)

虚ろな十字架 (光文社文庫)



ストーリーは別れた妻が殺された。
もし、あのとき離婚していなければ、
私はまた遺族になるところだった。
東野圭吾にしか書けない圧倒的な密度と、
深い思索に裏付けられた予想もつかない展開。
私たちはまた、答えの出ない問いに立ち尽くす。

被害者の遺族にとっては例え死刑と判決が出たとしても、
ただの通過点にすぎず、
被害者が二度と返って来ることのない心の痛み。
それをどこにぶつけて良いのかとても苦しみます。
とはいっても死刑と下されなくても終身刑でも罪を償うために
毎日刑務所の中で生きていると思うと矛盾する気持ちも分かります。
どんな判決が出るにせよこの作品によって
死刑制度ということを考えさせられました。
罪を犯した時の償い方とはいったいどうしたら良いものかと
頭を悩まされこれは永遠のテーマかとも思います。

この作品では死刑制度についての答えは
東野さんとしては導いていないですが、
このような作品を描かれたことのよって読者をはじめとして
多くの人にこの問題を投げかけているかとも思うので
そこからまた生まれる何かがあるかとも思えました。
一番良いのは罪を犯さないことが一番良いことなのですが。

重いテーマを扱っていますが一つの事件から意外な方向へと広がり、
複雑に絡み合った人間関係で構成されていて
とても読み応えのある作品でした。
ミステリー小説というよりもやや社会派な部分も楽しめました。

以前読んだ「手紙」の作品で犯罪加害者の家族の事を少し思い出し、
家族の絆や罪を償うということも重ね合わせながら
この作品も読み、このような難しい作品も東野さんは上手いなと思いました。
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短編少年 伊坂幸太郎他 [作者あ行]


短編少年 (集英社文庫)

短編少年 (集英社文庫)



今人気の作家さんが少年をテーマにした
短編作品のアンソロジーということで、
どれもそれぞれに個性が出ていて、
少年をあらゆる角度から描かれていて楽しめました。

どの作品に共通していえることだと思うのですが、
少年はどれも青春の甘酸っぱさが出ていて清々しく思えました。
女性は幼い頃から既に独特な世界があるので、
余計に少年の方が爽やかさが残ったのが印象的でした。

特に印象的だった作品は「逆ソクラテス」、
「四本のラケット」、「夏のアルバム」、「僕の太陽」でした。

少年をまるでその側で見ているかのような心境になったり、
心が揺らいでくじけそうになっている時には
思わず励ましたくなったりと学生時代にタイムスリップしたみたいに
きゅんとした心にもなれました。

「夏のアルバム」ではストーリーが少し深刻だった
ということもありますが、少年だけでなく、
一緒にいる子ども達がとてもいじらしい気持ちが
繊細に描かれていたので読み終えた時には涙がこぼれそうな切なく
悲しい気持ちで一杯になりました。
この夏の出来事がきっとこの少年は一生忘れられないのだろうかとも思えました。

クラスに一人はいそうな男子、少年に出会えた気がして
様々な気持ちにさせられました。
また懐かしい幼い記憶と並行しながら読めるので、
楽しく青春の一ページをめくったような思いにもなれたので
こうゆう短編集も良いなと思います。

読んだことのない作家の作品もここで読めたので、
これをきっかけに他の作品も読んでみたくなりました。
どの作品も読みやすいので男女問わず、
世代を問わずに読めると思います。

荻原浩 幸せになる百通りの方法 [作者あ行]


幸せになる百通りの方法 (文春文庫)

幸せになる百通りの方法 (文春文庫)



ストーリーはオレオレ詐欺の片棒担ぎ、突然歴女化した恋人、成功法にこだわる青年……
この時代を滑稽に、でも懸命に生きる人々を描く七つの短篇。

原発がともなす灯の下で
俺だよ、俺。
今日もみんなつながっている。
出逢いジャングル
ベンチマン
歴史がいっぱい
幸せになる百通りの方法 の七つの短編

どれも最後に軽いオチがあり思わずくすりと笑えてしまって
楽しく読むことができて幸せなひと時でした。

誰にでもある普通の日常生活の中から
苦い経験や面白い経験などが綴られているので
とても庶民的な笑いで親近感が得られ、
心がやんわりと温まりながらも
少し皮ったところもあってその塩梅も良かったです。

どれも面白くて一つ一つが鮮明に思い出されますが、
「俺だよ、俺。」、「今日もみんなつながるっている。」、
「出逢いのジャングル」、「ベンチマン」が強く印象に残っています。
ベンチマンの最後は清々しい気持ちにもなって、
明日から頑張ってみようという気持ちにさせられます。

タイトルだけと見ると自己啓発本のように思われますが、
そんなことは全然なく気軽に読めて、
読んだ後には心がなんだかほっこりとした気持ちになるので
心が疲れた方にはお勧めな作品だと思います。

小川糸 こんな夜は [作者あ行]


こんな夜は (幻冬舎文庫)

こんな夜は (幻冬舎文庫)



スローリーは古いアパートを借りて、ベルリンに2カ月暮らしてみました。
土曜日は青空マーケットで野菜を調達し、日曜日には蚤の市におでかけ。
窓の外から聞こえるストリートの演奏をBGMに、
読書をしながらお茶を飲んだり、さくらんぼのジャムをことこと煮たり。
ベルリンの街と人々が教えてくれた、
お金をかけず楽しく暮らす日々を綴った大人気日記エッセイ。

2011年当時の日本での出来事とベルリンでアパートに
暮らした日々の事が綴られています。
今回も丁寧な暮らしぶりやスローライフ
スローフードについて書かれていて
とても真似ができるとは思いませんが、
少しは見習いたかったり参考にしてみたい所もありました。

ベルリンでの生活では以前書かれたヨーロッパの旅行記とはまた違い
一歩生活に密接したドイツの歴史、ドイツ人の質実剛健さと
ドイツ人の根底に流れている魂のようなものを感じられました。
今の日本があるのもドイツのお蔭でもあるのも知り、
まだドイツのあらゆる精神を日本でも受け入れられたら良い思いました。

今回は2011年で3月11日の東日本大震災当時の事が書かれていて、
震災当時の事を思い出し、あれから何が日本では変わったのだろうかと
改めて考えてしまいました。
ここで述べられているように電力、原子力などについては
一時的には変わったようにも思えましたが
休止していた原発では再稼働を始めたり、
復興という名前ばかりで人の心の復興はまだまだだと思われます。

そしてベルリンで生活していた時に訪れたユダヤ博物館
ホロコーストの事が書かれていて、現地で味わうことしか出来ない
生々しい歴史の現実をうかがい知ることが出来ました。
ドイツ人はきちんと過去を清算して忘れないように
努力しているなと思いました。
二度と同じ事の過ちを繰り返さないようにと願ったのに、
大きな戦争は無いにしても今の世界情勢は危ういです。
この二つの事に関しては次世代に受け継がなければらないと思うので、
いつまでも関心を持たなくてはいけないと思いました。

文中ものもあった
実際に旅に出られなくても、
本の中を自由に旅することができる
まさにこの作品でもドイツという国を旅することが出来て
改めてまた本の良さを分かり得た気がします。

日記エッセイはこれで2作品目ですが、
ゆっくりと何も考えずに楽しめることが出来るので
また読みたいと思います。

角田光代 森に眠る魚 [作者か行]


森に眠る魚 (双葉文庫)

森に眠る魚 (双葉文庫)



ストーリーは東京の文教地区の町で出会った5人の母親。
育児を通してしだいに心を許しあうが、
いつしかその関係性は変容していた。
あの子さえいなければ。私さえいなければ…。
凄みある筆致であぶりだした、現代に生きる母親たちの深い孤独と痛み。
衝撃の母子小説。

以前角田さんの作品で読んだ「坂の途中の家」や「ひそやかな花園」と
同じようなママ友を中心とした内容なのかと思いましたが、
途中で解説に文京区幼女殺人事件をモチーフに描かれている
というのを知り考え深く読みました。

前半までは5人のママ友達がそれぞれの個性はあるものの
分け隔てなく楽しく過ごしているかのように見えて
一瞬羨ましい関係のようにも思えました。
ところがある一人の男の子の小学校受験をきっかけに
それまで関心のなかったママ友達に異変が起き始める。
そして受験だけでなく一人が妊娠したことによっても異変が起きはじめ
徐々にグループ内の関係が崩れはじめます。
楽しいママ友がいっぺんにして互いに比較したり、探り合ったり、
憎しみあったりしてここまでも関係が崩壊していくのかと
思ってしまいました。
互いに比較して嫉妬の塊になっていき、
しまいには自分で自分を苦しめてしまっている状態になり
後半部分でのお祭りに行く女性の怪しい行動には狂気を感じ、
女性の心理描写があまりにも鬼気迫る思いがして
読んでいて苦しかったです。

女性は物心ついた時から男性にはない独特の世界があり、
それは学生時代だけのことだと思っていましたが、
大人になってもいつの世代になっても抜けることはなく、
それによって人間関係が難しいと思わざるおえなくなってしまいます。
この中のママ友達も学生の時に苦い経験があるからこそ、
また同じような経験はしたくないからそこそこの付き合いをと
思っていたと思っていましたが、結局はまた同じようなことを
繰り返されてしまったというのはやりきれなさを感じます。
他人と比べると人は不要は不幸を背負いこむ。
人は人、自分は自分、その線引きをしっかりさせて
日々を送りたいと思っていても
ママ友となると自分だけではなく子供を交えての交際となると
難しいのだなと思いました。

角田さんは以前の作品でも女性の心理描写やママ友達の会話が
とても細かく表現されていて、特に今回も会話の部分では
とてもリアルでまるでどこかの立場端でも聞いているかのような
リアル感で吸い込まれました。

登場人物のどの女性もそれぞれの過去に辛い過去があったり、
今もなお人には言いたくても言えない悩みがあったりしても、
ママ友の前に出ると明るく気丈に逞しくふるまってしまい
それが余計にいらないトラブルの火種になってしまうのかとも思ったりしました。
誰が悪いとかそうゆうことではなく、
とにかく人と比べることでこんなにも苦しく辛くなってしまう
人間関係というのは嫌だなと思っていまいました。

核家族で少子化という昨今で同じ年頃の子どもを持つ主婦は
同じような境遇の人と出逢えたらどれだけ心強いものかと思います。
けれどせっかくのママ友も些細な事からどこかボタンを掛け違いで
こんなドロドロとした人間関係になってしまって、
親同士だけでなく子供まで嫌な思いをさせてしまうのは
残念なことだと思います。

私は子供がいないのでママ友付き合いという経験が無いですが、
時にはそんな関係が羨ましくも思ったりもしましたが、
このような事に巻き込まれしまうとしたら
そんな経験をしなくて良かったのかなとも思えたり、
女性の独特な世界感を改めて難しいなと思わされてしまいました。
けれど自分の価値観と合ったり心地良い人と出会えることも
あると思うので、そのような場合にはママ友という枠を超えて
人生の友になれるかと思います。

アメトークの「読書芸人」で紹介されて話題になった作品なので
手に取ってみましたが、読みやすく現代の女性の心を鷲掴みしていて
女性の日頃に対する本音も細かく描かれているかと思います。
女性の心の深い闇を知るには読み応えがありお勧めな作品かと思います。
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