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誉田哲也 プラージュ [作者は行]


プラージュ (幻冬舎文庫)

プラージュ (幻冬舎文庫)



ストーリーは仕事も恋愛も上手くいかない冴えないサラリーマンの貴生。
気晴らしに出掛けた店で、勧められるままに覚醒剤を使用し、逮捕される。
仕事も友達も住む場所も一瞬にして失った貴生が見つけたのは、
「家賃5万円、掃除交代制、仕切りはカーテンのみ、
ただし美味しい食事付き」のシェアハウスだった。
だが、住人達はなんだか訳ありばかりのようで…。

WOWOWでドラマ化されるというので興味を持ち手に取りました。
訳ありばかりのシェアハウスということで
何が大きな出来事があるのかとワクワクしながら読んでいました。
といっても住人達は特に意気投合して何かをするということもなく、
ただ日常的に日々を過ごしその時に出逢った人と好きな時間に
好きなように暮らしているという何処から見ても
普通の暮らしぶりでした。

ところが一人一人の過去を辿っていくと、
社会から見ると影に潜んで生きていきている
いわゆる犯罪者という括りになってしまう人達。
けれど犯罪者といっても特別な生活をしているのではなく、
普通の生活を送っていてそれがごく普通なことであること。
その普通の中に犯罪は潜んでいることであり、
誰でもがおかしてしまうかもしれないという危うさがあります。

ふとした軽い気持ちやふとした出来事で
一度の過ちをしてしまい犯罪者という形をとってしまった犯罪者。
その一方で確信たる目的で犯罪者となった人。
形はどうであれ犯罪者になった人達は一度償いをした者には
再スタートのチャンスを与えられるべきなのか。
そしてその後社会の中でどう生きていくべきかと
そんな問いがこのストーリーでは問われていると思います。

住人それぞれの視点から描かれているので、
それぞれの心情がとても分かりやすいです。
一見ミステリーのような気がするのですが、
中盤くらいまではその要素があまりなく
後半になってから急展開で事件の謎が解けるのが面白いところです。

それよりも記者とAというのが誰かというところが、
読み進めていく面白さの一つに加わるのですが、
あまり時間の差もなく判明されていくので少し違和感を持ちました。

現代は人間関係が希薄なので
シェアハウスということでもないと隣人に対して
深く興味を持つことはあまり無いかと思います。
何かの巡り合わせで出会えた人達に少しでも興味を持つことも大事だということ。
けれどその中で特別な人間関係や隔たり、括りなどが無く
生活を共にしていくことも大切だということを学んだ気がします。

前科者、犯罪者という重いテーマを扱った作品ですが、
とても読みやすく読了後はどこかスッキリとしたような気持ちになる作品です。

原田マハ 生きるぼくら [作者は行]


生きるぼくら (徳間文庫)

生きるぼくら (徳間文庫)



ストーリーはいじめから、ひきこもりとなった二十四歳の麻生人生。
頼りだった母が突然いなくなった。
残されていたのは、年賀状の束。
その中に一枚だけ記憶にある名前があった。
「もう一度会えますように。私の命が、あるうちに」マーサばあちゃんから?
人生は四年ぶりに外へ! 祖母のいる蓼科へ向かうと、予想を覆す状況が待っていた????。
人の温もりにふれ、米づくりから、大きく人生が変わっていく。

引きこもりの青年が米作りに挑戦をして再生へと導くサクセスストーリー。
サクセスストリーはいくつもありますが、
米作りからというのは今まには無かったので想像がつきにくかったです。

青年がひきこもりになってしまったそれまでのいきさつを読むと
心が折れてしまい挫折してしまいそうな気持になってしまい
途方に暮れてしまったのも仕方ないかとも思えてしまいました。
けれど母が失踪して一枚の年賀状をきっかけに人生ががらりと変わり、
今までに経験のないことに挑み、一つ一つの事を正面から乗り越えていき
そしていつの間にか成長をしていくというのが
読んでいてとても心地良かったです。

優しく包み込むおばあちゃんのぬくもり、自然との触れ合い、
そして応援してくれる近所の人々、
色々な人との繋がりによって人を成長させてくれて
人とのめぐり会いと触れ合いは良いものだなと思えました。

なんといっても「カッコイイ大人」という存在が良くて、
分からないことはきちんと教えてくれて、
ダメなことにはきちんとダメだと叱ってくれたりしてくれる
いわるゆる頼れる「カッコイイ大人」の存在が
ここでは光っていて現代ではなかなかこうゆう人と巡り合えないので
こんな大人になれたり、生きられたら素敵だなと思いました。

人間長く生きていれば必ず何かがある。
そんな時に家族の支えが必要になる、
元気な時には気が付かないけれど、
支える方も、支えられる方も、
病気になればお互いのありがたさが身にしみる、
そして失ってみると、
その存在の大きさがしみじみわかるものなのだと。
誰もが通る道をこんな風にまた教えてくれると
普段口にしては言えないことを
何かここから目に見えない大切なものを
教えてくれたような気がしました。
こんな風の教えられたら家族の介護というのも
形が変わるような気がします。

ラストは何となく想像できる結末ですが、
これがまた名文で心にジーンときて目頭が熱くなってしまいました。
ほっと出来たラストでもありました。

お米を通してみんな生きているんだと。
生きていることをやめない力を持っているんだと。
この力強いフレーズも印象的でパワーをもらえて、
改めてお米としてのパワーとお米を食べて元気になろうという
パワーを貰えた気がします。
やはり日本人は古来からお米を食べていたので、
お米が一番身体に合っているのだとつくづく思わされました。

お米が愛おしくなりスローライフも良いなと思いました。
自然と人との繋がりを通して改めて生きている実感を
味わえる感じがします。
何か力が湧いてきて清々しい気分になります。
明日への活力に導かれた気持ちにもなれてとても良かったです。

引きこもり、認知症、米作り、介護施設などと現代の社会問題と
されているテーマをさりげなく盛り込んでいますが、
あまり重くなくさらりと書かれていて読みやすくなっています。

とにかくこの本を読んだ後には梅干し入りのおにぎりが
食べたくなってしまいます。

原田さんの作品は何冊か読んでいますが、
何度も元気を貰えて励まされたり、
素敵な言葉が沢山あるので何度も読み返したくなります。

東野圭吾 虚ろな十字架 [作者は行]


虚ろな十字架 (光文社文庫)

虚ろな十字架 (光文社文庫)



ストーリーは別れた妻が殺された。
もし、あのとき離婚していなければ、
私はまた遺族になるところだった。
東野圭吾にしか書けない圧倒的な密度と、
深い思索に裏付けられた予想もつかない展開。
私たちはまた、答えの出ない問いに立ち尽くす。

被害者の遺族にとっては例え死刑と判決が出たとしても、
ただの通過点にすぎず、
被害者が二度と返って来ることのない心の痛み。
それをどこにぶつけて良いのかとても苦しみます。
とはいっても死刑と下されなくても終身刑でも罪を償うために
毎日刑務所の中で生きていると思うと矛盾する気持ちも分かります。
どんな判決が出るにせよこの作品によって
死刑制度ということを考えさせられました。
罪を犯した時の償い方とはいったいどうしたら良いものかと
頭を悩まされこれは永遠のテーマかとも思います。

この作品では死刑制度についての答えは
東野さんとしては導いていないですが、
このような作品を描かれたことのよって読者をはじめとして
多くの人にこの問題を投げかけているかとも思うので
そこからまた生まれる何かがあるかとも思えました。
一番良いのは罪を犯さないことが一番良いことなのですが。

重いテーマを扱っていますが一つの事件から意外な方向へと広がり、
複雑に絡み合った人間関係で構成されていて
とても読み応えのある作品でした。
ミステリー小説というよりもやや社会派な部分も楽しめました。

以前読んだ「手紙」の作品で犯罪加害者の家族の事を少し思い出し、
家族の絆や罪を償うということも重ね合わせながら
この作品も読み、このような難しい作品も東野さんは上手いなと思いました。
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原田マハ あなたは、誰かの大切な人 [作者は行]


あなたは、誰かの大切な人 (講談社文庫)

あなたは、誰かの大切な人 (講談社文庫)



ストーリーは 勤務先の美術館に宅配便が届く。
差出人はひと月前、孤独のうちに他界した父。
つまらない人間と妻には疎まれても、
娘の進路を密かに理解していた父の最後のメッセージとは……(「無用の人」)。
歳を重ねて寂しさと不安を感じる独身女性が、
かけがえのない人に気が付いたときの温かい気持ちを描く珠玉の六編。

最後の伝言 Save the Last Dance for Me
月夜のアボカド A Gift from Ester´s Kitchen
無用の人 Birthday Surprise
緑陰のマナ Manna in the Green Shadow
波打ち際のふたり A Day on the Spring Beach
皿の上の孤独 Barragan´s Solitude

どの作品も人生の半ばにさしかかった独身女性が様々な別れに遭遇し、
その時の気持ちを切なくも温かく描かれた作品でした。

「最後の伝言」では父が典型的な髪結い亭主だったけれど、
それにもめげずに父の事を想いながら母の女としての想いが
最後まで込められていてくすりと笑えながらも
思わず涙が出そうになったり、
夫婦というのは外側からでは分からないというのがよく分かります。
こんな一途な母の想いがとても可愛らしくもありこんな女性にも憧れました。

「月夜のアボカド」の中の何気ない台詞がとても心に響きます。
いちばんの幸福は、家族でも、恋人でも、
友だちでも、自分が好きな人と一緒に過ごす、ってことじゃないかしら。
大好きな人と、食事で向かい合って、おいしい食事をともにする。
笑ってしまうほど単純で、かけがえのない、ささやかなこと。
高価なものがあったり、沢山の物に囲まれていても
やはり一番大事な人と食事をするというのが
どんなに人生の中で最高に幸せなんだと思わされました。
そしてその大事な食事で幸せをいかに充実させるかということもあり
大事な要素でもあると思いました。

「皿の上の孤独」は前半では元同僚のことばかり語っていたので
あまり主人公の女性のことは気になっていませんでしたが、
この女性も過去に大きな辛いことが幾度とあり、
お互いにそれを乗り越えてこの今という瞬間を生きてきているというのが
とても励まされました。
今日を生きた、だから明日も生きようという気持ち。
普通の人から見ていると何でもないことに思える日常でも、
困難な事を乗り越えている人から見るとこんな思いをしていながら
生きていると思うと共感せざるおえない気持ちになりました。

この作品では美術や建築物などの芸術に関することが出ていたので、
あまり馴染みがなかったのでそれがかえって新鮮で興味深かったです。
海外での話も多かったのでその光景が浮かぶのも良かったです。

どんなに辛く悲しいことでも誰かが必ずそばにいる。
そばにいる人が大切であるように、
自分もその人にとっては大切な人であるということに気付かされたり、
人は一人では生きていないということを改めて教えられた気がします。

原田さんの作品は何冊か読んでいますが、
さらりと読めてその中にジーンとくる言葉がくっきりと表れて
いつも心を清々しくさせてくます。
この作品でも同じくほんのりと心の中に温かい灯をともしてくれてました。
これから更に歳を重ねる上で大切な事を教えてくれた一冊でした。

原田マハ さいはての彼女 [作者は行]


さいはての彼女 (角川文庫)

さいはての彼女 (角川文庫)



ストーリーは脇目もふらず猛烈に働き続けてきた女性経営者が
恋にも仕事にも疲れて旅に出た。
信頼していた秘書が手配したチケットはは行き先違いで――?
女性と旅と再生をテーマにした、爽やかに泣ける短篇集。

さいはての彼女
旅をあきらめた友と、その母への手紙
冬至のクレーン
風を止めないで 
の四編

仕事をやりがいとしている女性が主人公の話が主となっています。
そんな折に仕事に失敗し、行き詰った時に旅に出て
様々な人と巡り会うことで心が癒され
次へのステップに繋がって再生されていくというのが
清々しく描かれていてどの作品も良かったです。

女性がそれなりのキャリアを続けて仕事をしていくというのは、
男性とはまた違った孤独との闘いがあり、
そんな辛さを誰も言えず抱え込んでしまった場合には
こんな旅があったらどんなに心が解き放たれるだろうかと思いました。

どの旅でも自然の豊かさが描かれていて、
北海道でハーレーを乗っている心地良さや
自然の中での丹頂鶴が舞う光景などが目の前にあるかのような描写は
読んでいてもとても心地良かったです。

「さいはての彼女」で出逢った女性の凪の存在がとても印象的で
この物語に風を吹かせているかと思います。
そしてそんな彼女を育てた父親の存在も素晴らしいものがあります。
聴覚障害のあった凪は読唇術を習得しようとしても
なかなか出来ずにいたところ、
そこには耳の聞こえない人と「線」みたいなものが
あるのと答えていました。
けれど父の言葉は
そんな「線」はどこにもない。
もしあるとしたら、それは耳が聞こえる人たちが引いた「線」じゃない。
お前が買ってに引いた「線」なんだ。
そんなもん、越えていけ。どんどん越えていくんだ。
などと言いながら励まし自分の好きなハーレーに乗せていました。
自分の身を持ちながら自分とはまた違った娘を
このように育てていく姿には心打たれます。
これはもしかしたら身体の障害だけではなく、
人生の生き方もこのように乗り越えていって欲しいのだという
教えにも思えました。

「旅をあきらめた友と、その母への手紙」では
主人公が前半では一人旅をまだ満喫できない自分がいましたが、
時間を追うごとにそれが無くなっていきます。
いつも一緒に来ていた友達を想うことと同時に
自分の人生や友達の人生とその母親も考えることになり
こんな風にお互いに心の底から
思い合える友達がいることが羨ましいと思いました。
友達の母親への手紙を読んでいてとても胸が熱くなり、
主人公とほぼ同じ世代なので
ことさらこうゆう事柄には共感してしまいます。
人生を、もっと足掻こう。って言葉が印象的です。

「風を止めないで」は「さいはての彼女」に出てきた凪の母親の話です。
好きなハーレーに乗っていた時に事故に遭ってしまい
もうずっとハーレーを憎んでしまうかもしれないと思っていた時に
ハーレーに魅せられた娘の凪を思う人が訪ねてきたことによって
忘れかけていた心を再認識。
そしてこの心が新たなる門出に向かう予感がして
とても微笑ましく応援をしたくなる気分にさせられました。

人はどんな時、どんな場所でも立ち上がれることが
出来るのだと再認識できる作品でした。

原田さんの作品はテンポがありとても読みやすく
心にもすっと馴染んで言葉が入ってくるので心も癒されます。
何度でも読みたい作品です。

東野圭吾 夢幻花 [作者は行]


夢幻花 (PHP文芸文庫)

夢幻花 (PHP文芸文庫)



ストーリーは 花を愛でながら余生を送っていた老人・秋山周治が殺された。
第一発見者の孫娘・梨乃は、祖父の庭から消えた黄色い花
鉢植えが気になり、ブログにアップするとともに、
この花が縁で知り合った大学院生・蒼太と真相解明に乗り出す。
一方、西荻窪署の刑事・早瀬も、別の思いを胸に事件を追っていた…。
第二十六回柴田錬三郎賞受賞作。

プロローグからどうやって事件へとなり
それからどうやって伏線になっていくのかと
前半ではあまり検討がつきませんでした。
中盤からは登場人物がどんどんと増え
ストーリーも込み入ってくるのでとても読み応えがあり
引き込まれてしまいました。

それぞれの時代で夢幻花に対して宿命を背負ってしまった人達。
この花の言われからこの花を知ったことで
自分の運命までを右往左往してしまうこととは
どんなことだろうかと思います。
まして今までは家族から疎外感を持っていた青年が
まさか先祖代々まで関わっていたという事実に遭遇してしまったら
なんということだろうかと思います。
まさに文中にあったように負の遺産
背負わされしまったとしか思えないです。
けれど自分の宿命に対して反抗することもせず、
めげずにむしろ受け止めてこの事件の第一発見者だった孫娘と
どこか同じような境遇というところから
一喜一憂しながら事件を追っていく姿は頼もしく清々しかったです。

夢幻花によって自ら人生を狂わせてしまった人がいたり、
狂わせられてしまった人がいたりと
夢幻花は古い時代には存在していた花でありましたが、
現代にはあってはならない花だと改めて思い
今でもこの作品の中のように科学の力を使って
自然の摂理を曲げてしまい
また過去のような過ちがなければ良いかとも思いました。
きっと夢幻花と呼ばれる花は
見たくても見てはいけない花なのかもしれないです。

東野さんの作品には日常的に知らなかった最先端の科学的なことが
時々ストーリー中に出てくるのでそれを知るだけでも興味深いです。
それに付け加えて様々な登場人物が出きては
惑わされてミステリーとなっていくので推理をする読者としては
目が離せないです。

この作品を書くにあたって今までに無く下調べをして
構想をした甲斐がありとても読み応えのある作品でした。

原田マハ 独立記念日 [作者は行]


独立記念日 (PHP文芸文庫)

独立記念日 (PHP文芸文庫)



ストーリーは恋愛結婚進路キャリア、挫折や別れ、病気や大切な人の喪失…。
さまざまな年代の女性たちが、それぞれに迷いや悩みを抱えながらも、
誰かと出会うことで、何かを見つけることで、
今までは「すべて」だと思っていた世界から、自分の殻を破り、人生の再スタートを切る。
寄り道したり、つまずいたりしながらも、
独立していく女性たちの姿を鮮やかに描いた、24の心温まる短篇集。

ショートストーリーで読みやすく、
どのストーリーも人生の中で誰もが経験していることが
描かれているので共感しやすいです。
個々のストーリーが一見何も関係のないように思えましたが、
主人公や脇役の人達に共通のあることで繋がっていき
そして話が次々と繋がっているのが見事だと思いました。

また文中の端々に優しさのある言葉が含まれていたり、
さりげなく優しさのある言葉に溢れていて
読んでいてとても心が温まったり、
励まさたりと心を動かされっぱなしでした。

特に印象に残った作品は夫婦間でのさりげない温かさが感じられた
「ふたりに時計」、「お宿かみわら」、「ひなたを歩こう」、「まぶしい窓」。
その他にも「おでき」、「缶椿」、「独立記念日」。
後半の部分はどれも印象に残り目頭が熱くなりました。

自由になるんじゃない、独立するんだ。
ややこしい、いろんな悩みや苦しみから。
自由になりたいな。でも自由ってなんだろう?
人生で挫折や悩み、迷いなどがあった時には
こんな言葉で置き換えてみてはどうだろうかとヒントを貰えた気がします。

以前他の作家さんで同じように短編集を読んだことがありますが、
それとは全然違いこんなに情景や素敵な言葉が沢山詰まっていているので
こんな短編集ならばまた読んでも良いなと思えました。

様々な女性の悩み、迷いなどからふとした言葉で
また明日に向かって前に進もうという元気が貰えて
本当に清々しく心温まる作品ばかりでした。
単なる心温まる作品というにはもったいないくらいで
それ以上の温かさや勇気をもらえた作品だと思います。
女性だけでなく男性の方にもお勧めな本だと思います。

原田さんの作品を初めて読んでこんなに良かったので、
他の作品も是非読んでみたくなりました。

東野圭吾 危険なビーナス [作者は行]


危険なビーナス

危険なビーナス



ストーリーは弟が失踪した。
彼の妻・楓は、明るくしたたかで魅力的な女性だった。
楓は夫の失踪の原因を探るため、資産家である弟の家族に近づく。
兄である伯朗は楓に頼まれ協力するが、
時が経てば経つほど、彼女に惹かれていく。

弟の失踪の原因を探るために彼の妻と探していくうちに
どんどんと彼女の魅力に惹かれてしまう。
これが主軸になってしまって弟の失踪の原因の伏線があまりなく、
後半になって一気に物語を進ませてしまっている感じがしていまいました。
失踪を混乱させるためにこんな家族構成にしたのかもしれないですが、
伯朗の家族関係が少し複雑すぎて登場人物が多すぎて
頭の中がごちゃついて読みにくい感じがしました。

途中になってから東野圭吾さんの得意な理系分野の知識が出てきますが、
今回もフラクタル図形、ウラムの螺旋が出てきたので、
『容疑者Xの献身』を想像させられまいた。
けれど『容疑者Xの献身』ほどラストは心理的に感動的なものがなく、
ただ自分の想いだけの原因を突き止めるためのものだったと思い
少し残念な気がしました。

普通にミステーとして読むだけならワクワクとさせられて良いと思いますが、
本来の東野圭吾さんらしい作品だったとはあまり思えなかったので
少し物足りなさを感じてしまいました。

ただタイトルにもなっているように危険なビーナスなので、
ビーナスにはくれぐれも注意して読むと楽しめるかと思います。

東野圭吾 マスカレード・イブ [作者は行]


マスカレード・イブ (集英社文庫)

マスカレード・イブ (集英社文庫)


ストーリーはホテル・コルテシア東京フロントクラーク山岸尚美と、
警視庁捜査一課の新田浩介。
 『マスカレードホテル』で二人が出会う前、
大学教授殺人事件の真相とは!? 新シリーズ第2弾!!

『マスカレード・ホテル』を読みこちらを手に取りました。

以前のフロントクラークとしての山岸と以前の部署であった新田との過去が
 描かれているので、マスカレードホテルを読んでからの方が
二人の今日に至るまでのことと結びつくのでこちらを先に読んだ方が
 断然と良いかと思います。

 第二弾シリーズなのでストーリーが続いているかと思われますが、
これは別物と割り切って読むと面白いかと思います。
前作のような重厚さには少し欠けますが、
 これは短編集の一つとして楽しめるかと思います。

 ホテルマンはお客様に仮面を被り、
刑事は犯人の仮面を破り、そして覆面を被った訳ありの作家。
名前や役割の違った仮面を被ることによって
 人は様々な事を事を日々成し遂げているのだと思わされました。
 人は一体一日の中で、
いや人生の中でいくつの仮面を
持つのだろうかとふと考えてしまう作品でした。 


 マスカレードシリーズはこの二人のコンビの初々しさが面白く、
 これからが楽しみなので第二弾の先にも続くことを期待しています。


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東野圭吾 マスカレードホテル [作者は行]


マスカレード・ホテル (集英社文庫)

マスカレード・ホテル (集英社文庫)



ストーリーは都内で起きた不可解な連続殺人事件。
次の犯行現場としてあるホテルが浮上、ターゲットも容疑者も不明のまま、
警察は潜入捜査を決定する。
東野圭吾の最高に華麗な長編ミステリ! 新シリーズ、スタート。

次の犯行場所が一流ホテルという、
一見ホテルと事件というのは程遠いように思えた設定でしたが、
密室でこれだけ多くの人達が利用するというのは
意外と多くの危険が潜んでいる場所かと思わされました。

謎の残された暗号を解いて犯人を暴いていくのも面白いですが、
女性フロントクラークの山岸尚美と刑事新田浩介がホテルマンに扮して
潜入捜査をしていく様子がとても面白かったです。
捜査のためにフロントクラークの山岸に教育されるわけですが、
お互いの職業のプライドが邪魔をしてしまい
当初はしっくりといきませんでしたが、
事件の真相が深まるごとにそのプライドが良い方向に向かって解け合って
良いコンビへと成長しているのが読んでいて初々しい感じがしました。

一流ホテルが舞台となっているので、
ホテルマンのとしてのお客様に対しての心得などが随所に描かれているので
ミステリーとは別にして学ぶことがあり楽しめました。

メインの二人だけでなく、
彼の取り巻く警察の内部事情なども描かれているので
これもサブストーリーとしての面白味がかなりありました。

ミステリー小説となるととかくドロドロとした人間模様で
仄暗い印象のある小説が多いですが、
この作品は暗さというものはあまり漂うことなく明るく痛快に、
そしてちょっぴり甘酢っぱさなどもあり読みやすい作品だと思います。

割とどの登場人物もしっかりとした設定があるので、
実写化でドラマ映画にしたら面白いかと思います。

久しぶりに東野圭吾さんの作品を読みましたが、
読みやすくて事件の謎を解くのも今までにはない手法で、
まだ起きてはいない事件を予測しながらという発想には驚きです。
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