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東野圭吾 祈りの幕が下りる時 [作者は行]


祈りの幕が下りる時 (講談社文庫)

祈りの幕が下りる時 (講談社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/09/15
  • メディア: 文庫


ストーリーは 悲劇なんかじゃない これがわたしの人生。
極限まで追いつめられた時、人は何を思うのか。
夢見た舞台を実現させた女性演出家。
彼女を訪ねた幼なじみが、数日後、遺体となって発見された。
数々の人生が絡み合う謎に、捜査は混迷を極めるが…。
第48回吉川英治文学賞受賞作品!
1000万人が感動した加賀シリーズ10作目にして、
加賀恭一郎の最後の謎が解き明かされる。

東野さんの作品は好きなので様々に読んでいますが、
加賀恭一郎シリーズはあまり読んでなかったですが、
1月に映画の公開になるというので手に取りました。

今回も沢山の登場人物が出てきて
そこから様々な伏線が出てくるのですが、
それが後半にならないとなかなか犯人らしき人物が
浮かび上がらないのでかなり読み応えがありました。

一つの小さな悲劇から一生自分の本当の名前と正体がばれないように
生きていくという過酷な人生。
その事を選択する時には一瞬のことだけれど、
歳月が経つごとにそれがいかに罪深く生きていくこと、
そして辛くて孤独な人生だということが伺え知ることが出来ます。
それがまして自分の事で他人までも巻き込んでしまうとなると
どんなに辛い人生だったかと想像してします。

犯人に辿りついた時にとても切なくも悲しく、
何とも言いようのない無念さが残りました。

今回は加賀シリーズの集大成となっているので、
加賀の謎であった父と二人であったことが解明されていきます。
それと同時に封印されていた母との記憶、
母の想いはとても切なくて目頭が熱くなる思いです。

時々東野さんの作品にはミステリーながらも
家族をテーマにしたストーリーがねじ込まれているので
とても共感でき、この作品でも親子の絆が主軸になっているので良かったです。

これで加賀シリーズが終わりというのも寂しい気がしますが、
読んでいないものがまだ沢山あるので、
これからでも徐々に読んでみようかと思っています。


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東野圭吾 マスカレード・ナイト [作者は行]


マスカレード・ナイト

マスカレード・ナイト

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/09/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


ストーリーは若い女性が殺害された不可解な事件。
警視庁に届いた一通の密告状。
犯人は、コルテシア東京のカウントダウンパーティに姿を現す!?
あのホテルウーマンと刑事のコンビ、再び――。

マスカレード・イブ、マスカレードホテルを読み
マスカレードシリーズが面白くてこちらを手に取りました。

第三弾シリーズなのでストーリーが続いているかと思われますが、
これもまた違うストーリーですが、ホテル勤務の山岸と新田が
以前よりも歳月を重ねているのでそれぞれの仕事での
成長ぶりが垣間見れます。

けれど以前よりも山岸と新田のコンビがそれ程際立っていないし、
特に山岸のホテルマンとして完璧な仕事ぶりが
今回はあまり見れなかったので少し残念です。
それでも無謀なお客さんの要望には「無理です。」とは言わずに
必ず応えている姿勢は目を見張るばかりか尊敬をしてしまいます。
こんなコンシェルジュがいるホテルならば是非宿泊してみたいです。

今回もラストまで犯人がなかなか分からず、
読み始めたらストーリーにのめり込み一気にラストまで読んで
やっと犯人に辿り着いて真相が分かりました。
けれど犯人のこの事件を起こす動機が今の時代背景を
映し出しているかと思うのですが、少し無理矢理な気がしました。
ここまで複雑な手段を選ぶなんて余程の恨みがないと
出来ないかとも思えました。
ちょうど1か月前に東野さんの作品の「片想い」を読み、
wowowでのドラマとも重なっていたのでそれも思い出されました。

ホテルで男女のカップルが宿泊するというのは
それなりに訳があり、それが表だって美しいものではなく、
時には裏では悲しくも物悲しいものがあったりするものだと
今回もホテル内での人間模様にそれぞれの人生を考えさせられました。

それにしてもラストのどんでん返しにはやられてしまいました。
1つだけでなく何度もどんでん返しが来て、
読み終わっても少し頭の中がこんがらがって
暫く頭の中を整理しないと真相が掴めないほどでした。

山岸のエピソード話で
「ここ数十年で時計は飛躍的に正確を刻むようになりました。
 少々の安物でも一日に一秒も狂いません。
 でもその結果、約束の時間に遅れる人が増えた、という説。
 時計に頼りすぎではいけないのと同様、
 自分の感覚だけを頼りにするのは危険。
 時間と同様、心の距離感にも余裕が必要ということ。」
山岸のエピソード話はホテルマンだけでなく読み手側にも
心に響き勉強になるので好きです。

今回もホテルという特別な空間での様々な出来事を
ミステリーという形でドキドキしながら楽しむことが出来ました。
ラストでは山岸がロサンジェルスに転勤になるということが
出てきますが、次回の舞台はロサンジェルスロスになるのでしょうか?
それを期待して次回の作品を楽しみにしたいと思います。
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原田マハ 星がひとつほしいとの祈り [作者は行]


星がひとつほしいとの祈り (実業之日本社文庫)

星がひとつほしいとの祈り (実業之日本社文庫)

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2013/10/04
  • メディア: 文庫


ストーリーは時代がどんな暗雲におおわれようとも、
あなたという星は輝きつづける――
注目の著者が静かな筆致で描く、20代から50代まで、
各世代の希望と祈りを見つめ続けた七つの物語。

椿姫 La travita
夜明けまで Before the Daybreak Comes
星がひとつほしいとの祈り Pray for a Star
寄り道 On Her Way Home
斉唱 The Harmony
長良川 River runs Tharough It
沈下橋 Loverlei

女性の様々な世代に渡って人生の節目、決断をする時などと
様々な物語が綴られています。

原田さんの作品は好きなので何冊か読んでいますが、
「さいはての彼女」、「生きるぼくら」などのように
力強く明るいものでは無いですが、
静寂の中に切なくもあり、その中でゆっくりと小さな光が
注がれているという感じで読み終わってからも
じんわりと味わうものがありました。

原田さんの作品では旅の中での物語がよくあり、
今回も殆どにありました。
それで地元の方言や美しいその時の風景などが丁寧に描かれているので
とても読んでいて心地良いものでした。

解説にもありましたが「さいはての彼女」に収録されていた
「旅をあきらめた友と、その母への手紙」のハグとナガラが
この作品にも登場されいて続編のようになっているので
少し得をした気分になりました。
こうゆう小さな所で以前の作品が登場するというのも
他の作品を読んできた面白さを振り返ることが出来るので良いです。

どの作品も良かったですが、中でも良かったものは
「星がひとつほしいとの祈り」と「長良川」です。
「星がひとつほしいとの祈り」は他の作品とは少しテイストが違い
昔話かおとぎ話でも聞いているような気にもなりました。
丁寧なヨネさんの喋り方や慎ましくも力強い人生、
そして心温かい人柄とても心が打たれました。

「長良川」では亡き夫との思い出やエピソードが語られている部分は
夫と優しさや人柄がとてもよく出ていてそれがまた涙をそそられました。
こんな風にお互いを思い合える夫婦が素敵だと思い、
それをまた娘夫婦が軌跡として繋いでいるのが微笑ましかったです。
夫がふと語る言葉がどれも素朴でいて可愛らしくて好きです。
中でも 
 川があって橋が架かって、人々が行き来して。
 川辺があって、家が並んで、釣り人が糸を垂れて。
 水鳥、魚、鵜舟、大昔から続いている、人間の営み、
 その中心を、静かに流れていく川。
 人間ってちっつちゃいよな。でも、ちっちゃいなりに、
 川と一生懸命に付き合っているんだな。
 人間って、なんだか可愛いな。
 そんなふうに思って、おれもちっちゃい、可愛いもんだ、って。

特別インパクトある言葉がある訳でもなく、
普通の言葉ですがどこか心を和ませたり、癒されることがあり、
それによって人生の節目などで落ち込んだ時に読んだら
背中をそっと押してくれそうな作品ばかりなので
また再読したい一冊になりました。

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東野圭吾 片想い [作者は行]




ストーリーは大学時代、ともに汗を流したアメリカンフットボール部の仲間たちとの同窓会。
エースQB(クォーターバック)だった西脇哲朗はマネージャーの
理沙子と結婚していたが、二人の仲は最近うまくいっていなかった。
同窓会の帰り道、哲朗はもう一人のマネージャーだった日浦美月に十年ぶりに出会う。
昔から性同一性障害で苦しんできたという美月は、今は男として生きていると告げる。
そして、さらに衝撃の告白をする。
「人を殺したんだ」 翌日、アメフト部のランニングバックで
美月と付き合っていた中尾功輔が哲朗の家を訪ねてくる。
十年という歳月はかつての仲間たちを、そして自分を、変えてしまったのだろうか。
事件はなぜ起きてしまったのか?
真相にたどり着こうとする中で、次々と明らかになっていく苦悩に満ちた事実。
30代半ばを過ぎ、恋愛や結婚、仕事に行き詰まりながらも、
過ぎ去った青春の日々を裏切るまいと再びフォーメーションを組む仲間たち。
最後に訪れる美月の、哲朗の、理沙子の、中尾の決断とは。
そして“片想い"の意味とはーー。 映像化を切望された東野圭吾の傑作ヒューマン・ミステリー、
2017年、中谷美紀主演でWOWOWドラマ化!

10月からWOWOWドラマ化というので手に取りました。

今では性同一障害、トランジェスターなどといった性や性差について
公になりだいぶ理解しつつありますが、
この作品はもう10年以上前に書かかれているの着眼点が鋭いと思いました。

マネージャーだった女性の日浦美月が十年ぶりに出会った時には男性となっていた。
そしてその美月がある殺人事件に巻き込まれいくミステリーになっていきます。
このミステリーを解くのもこの物語の醍醐味かと思いますが、
それよりも何よりも一番に感じられたのは
性別、性とは何かということです。
染色体で結合だけでの性別だけでなく、
この世の中にはメビウスの帯のように男と女には
裏表がありそれが限りなく続いているものだと
この作品を読んでいるとつくづく思えます。

本文中の
「人間は未知なるものを恐れます。 恐れて、排除しようとする。
 どんなに性同一障害という言葉がクローズアップされても、
 何も変わらない。
 受け入れれたいという我々の思いは、たぶんこれからも伝わらない。
 片想いはこれからも続くでしょう。」
この言葉はとても痛烈でこれが当人達の心の叫びだと思うと
とても耳が痛い思いがしました。

タイトルを見た時には恋愛の片想いだとばかり思っていましたが、
この片想いはあらゆる人の立場で想いや願いなどが詰まっている
重みのある想いだと思います。

ラストは元アメフト部の仲間ということで、
少し切ない所もありましたが、爽やかな展望が見られて良かったです。

登場人物が多く途中で名前が変更になったりしたり、
色々と複雑な人間模様でとても読み応えがあります。
600ページというとても分厚い本でしたが、
それを感じさせない興味深さがあり一気に読んでしまいました。

重いテーマのある作品でしたが、
このような形で性というものを考えるというのを一石を投じることに
なり意味のある作品だと思いました。
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東野圭吾 ナミヤ雑貨店の奇蹟 [作者は行]


ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)

ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/11/22
  • メディア: 文庫


ストーリーは悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。
そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。
廃業しているはずの店内に、突然シャッターの郵便口から悩み相談の手紙が落ちてきた。
時空を超えて過去から投函されたのか?3人は
戸惑いながらも当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書くが…。
次第に明らかになる雑貨店の秘密と、ある児童養護施設との関係。
悩める人々を救ってきた雑貨店は、最後に再び奇蹟を起こせるか!?

9月から映画化の公開というので手に取りました。

SFやファンタジー小説の要素も入りつつ、ミステリーの要素も少しあり
不思議な時空間での物語でした。
時にはこの時空間に流されたりもして楽しく読めました。

それぞれの悩みに対して手紙だけでのやり取りを通して
解決されていくのですが、その方法が強制をしている訳でもなく、
おこがましくなく、時にはこんな方法で悩みを解決できるのかと
思うくらいの助言があったりして
それが自然な形で最後には自分自身で悩みを解決していくところが見事でした。
その一つずつの悩みも切ないものばかりで心が温まるものばかりです。

そしてそれぞれの悩みを持った人達が伏線となり
ラストには集結して更に心を揺さぶられる結末になって
読んでいてとても面白く読む手が止まりませんでした。

こんな悩みを解決してくれう雑貨店ならば
私も一度はここでお世話になってみたいと思います。
どんな手紙の返答が来るのかが待ち遠しくなりそうです。

ナミヤ雑貨店を始めた店主の心意気も素敵ですが、
それを守っていくご子息も素敵な人達だなと思いました。

そして悪事を働いた三人も何かのきっかけで
このような事をすることによって新たなスタートが
切れることになって不思議な人と時間の繋がりだなと思いました。


東野さんの作品は好きなので色々な作品を読んでいますが、
ファンタジーでこんなに心を温まる作品に出会ったのは
初めてかもしれないです。
このような作品もこれからは書いて欲しいなと思いました。

心が疲れた時や何かに息詰まった時などに読むと
きっと心が温かくなれるような気がするのでお勧めだと思います。

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誉田哲也 プラージュ [作者は行]


プラージュ (幻冬舎文庫)

プラージュ (幻冬舎文庫)

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/06/28
  • メディア: 文庫


ストーリーは仕事も恋愛も上手くいかない冴えないサラリーマンの貴生。
気晴らしに出掛けた店で、勧められるままに覚醒剤を使用し、逮捕される。
仕事も友達も住む場所も一瞬にして失った貴生が見つけたのは、
「家賃5万円、掃除交代制、仕切りはカーテンのみ、
ただし美味しい食事付き」のシェアハウスだった。
だが、住人達はなんだか訳ありばかりのようで…。

WOWOWでドラマ化されるというので興味を持ち手に取りました。
訳ありばかりのシェアハウスということで
何が大きな出来事があるのかとワクワクしながら読んでいました。
といっても住人達は特に意気投合して何かをするということもなく、
ただ日常的に日々を過ごしその時に出逢った人と好きな時間に
好きなように暮らしているという何処から見ても
普通の暮らしぶりでした。

ところが一人一人の過去を辿っていくと、
社会から見ると影に潜んで生きていきている
いわゆる犯罪者という括りになってしまう人達。
けれど犯罪者といっても特別な生活をしているのではなく、
普通の生活を送っていてそれがごく普通なことであること。
その普通の中に犯罪は潜んでいることであり、
誰でもがおかしてしまうかもしれないという危うさがあります。

ふとした軽い気持ちやふとした出来事で
一度の過ちをしてしまい犯罪者という形をとってしまった犯罪者。
その一方で確信たる目的で犯罪者となった人。
形はどうであれ犯罪者になった人達は一度償いをした者には
再スタートのチャンスを与えられるべきなのか。
そしてその後社会の中でどう生きていくべきかと
そんな問いがこのストーリーでは問われていると思います。

住人それぞれの視点から描かれているので、
それぞれの心情がとても分かりやすいです。
一見ミステリーのような気がするのですが、
中盤くらいまではその要素があまりなく
後半になってから急展開で事件の謎が解けるのが面白いところです。

それよりも記者とAというのが誰かというところが、
読み進めていく面白さの一つに加わるのですが、
あまり時間の差もなく判明されていくので少し違和感を持ちました。

現代は人間関係が希薄なので
シェアハウスということでもないと隣人に対して
深く興味を持つことはあまり無いかと思います。
何かの巡り合わせで出会えた人達に少しでも興味を持つことも大事だということ。
けれどその中で特別な人間関係や隔たり、括りなどが無く
生活を共にしていくことも大切だということを学んだ気がします。

前科者、犯罪者という重いテーマを扱った作品ですが、
とても読みやすく読了後はどこかスッキリとしたような気持ちになる作品です。

原田マハ 生きるぼくら [作者は行]


生きるぼくら (徳間文庫)

生きるぼくら (徳間文庫)

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2015/09/04
  • メディア: 文庫


ストーリーはいじめから、ひきこもりとなった二十四歳の麻生人生。
頼りだった母が突然いなくなった。
残されていたのは、年賀状の束。
その中に一枚だけ記憶にある名前があった。
「もう一度会えますように。私の命が、あるうちに」マーサばあちゃんから?
人生は四年ぶりに外へ! 祖母のいる蓼科へ向かうと、予想を覆す状況が待っていた????。
人の温もりにふれ、米づくりから、大きく人生が変わっていく。

引きこもりの青年が米作りに挑戦をして再生へと導くサクセスストーリー。
サクセスストリーはいくつもありますが、
米作りからというのは今まには無かったので想像がつきにくかったです。

青年がひきこもりになってしまったそれまでのいきさつを読むと
心が折れてしまい挫折してしまいそうな気持になってしまい
途方に暮れてしまったのも仕方ないかとも思えてしまいました。
けれど母が失踪して一枚の年賀状をきっかけに人生ががらりと変わり、
今までに経験のないことに挑み、一つ一つの事を正面から乗り越えていき
そしていつの間にか成長をしていくというのが
読んでいてとても心地良かったです。

優しく包み込むおばあちゃんのぬくもり、自然との触れ合い、
そして応援してくれる近所の人々、
色々な人との繋がりによって人を成長させてくれて
人とのめぐり会いと触れ合いは良いものだなと思えました。

なんといっても「カッコイイ大人」という存在が良くて、
分からないことはきちんと教えてくれて、
ダメなことにはきちんとダメだと叱ってくれたりしてくれる
いわるゆる頼れる「カッコイイ大人」の存在が
ここでは光っていて現代ではなかなかこうゆう人と巡り合えないので
こんな大人になれたり、生きられたら素敵だなと思いました。

人間長く生きていれば必ず何かがある。
そんな時に家族の支えが必要になる、
元気な時には気が付かないけれど、
支える方も、支えられる方も、
病気になればお互いのありがたさが身にしみる、
そして失ってみると、
その存在の大きさがしみじみわかるものなのだと。
誰もが通る道をこんな風にまた教えてくれると
普段口にしては言えないことを
何かここから目に見えない大切なものを
教えてくれたような気がしました。
こんな風の教えられたら家族の介護というのも
形が変わるような気がします。

ラストは何となく想像できる結末ですが、
これがまた名文で心にジーンときて目頭が熱くなってしまいました。
ほっと出来たラストでもありました。

お米を通してみんな生きているんだと。
生きていることをやめない力を持っているんだと。
この力強いフレーズも印象的でパワーをもらえて、
改めてお米としてのパワーとお米を食べて元気になろうという
パワーを貰えた気がします。
やはり日本人は古来からお米を食べていたので、
お米が一番身体に合っているのだとつくづく思わされました。

お米が愛おしくなりスローライフも良いなと思いました。
自然と人との繋がりを通して改めて生きている実感を
味わえる感じがします。
何か力が湧いてきて清々しい気分になります。
明日への活力に導かれた気持ちにもなれてとても良かったです。

引きこもり、認知症、米作り、介護施設などと現代の社会問題と
されているテーマをさりげなく盛り込んでいますが、
あまり重くなくさらりと書かれていて読みやすくなっています。

とにかくこの本を読んだ後には梅干し入りのおにぎりが
食べたくなってしまいます。

原田さんの作品は何冊か読んでいますが、
何度も元気を貰えて励まされたり、
素敵な言葉が沢山あるので何度も読み返したくなります。

東野圭吾 虚ろな十字架 [作者は行]


虚ろな十字架 (光文社文庫)

虚ろな十字架 (光文社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2017/05/11
  • メディア: 文庫


ストーリーは別れた妻が殺された。
もし、あのとき離婚していなければ、
私はまた遺族になるところだった。
東野圭吾にしか書けない圧倒的な密度と、
深い思索に裏付けられた予想もつかない展開。
私たちはまた、答えの出ない問いに立ち尽くす。

被害者の遺族にとっては例え死刑と判決が出たとしても、
ただの通過点にすぎず、
被害者が二度と返って来ることのない心の痛み。
それをどこにぶつけて良いのかとても苦しみます。
とはいっても死刑と下されなくても終身刑でも罪を償うために
毎日刑務所の中で生きていると思うと矛盾する気持ちも分かります。
どんな判決が出るにせよこの作品によって
死刑制度ということを考えさせられました。
罪を犯した時の償い方とはいったいどうしたら良いものかと
頭を悩まされこれは永遠のテーマかとも思います。

この作品では死刑制度についての答えは
東野さんとしては導いていないですが、
このような作品を描かれたことのよって読者をはじめとして
多くの人にこの問題を投げかけているかとも思うので
そこからまた生まれる何かがあるかとも思えました。
一番良いのは罪を犯さないことが一番良いことなのですが。

重いテーマを扱っていますが一つの事件から意外な方向へと広がり、
複雑に絡み合った人間関係で構成されていて
とても読み応えのある作品でした。
ミステリー小説というよりもやや社会派な部分も楽しめました。

以前読んだ「手紙」の作品で犯罪加害者の家族の事を少し思い出し、
家族の絆や罪を償うということも重ね合わせながら
この作品も読み、このような難しい作品も東野さんは上手いなと思いました。
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原田マハ あなたは、誰かの大切な人 [作者は行]


あなたは、誰かの大切な人 (講談社文庫)

あなたは、誰かの大切な人 (講談社文庫)

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/05/16
  • メディア: 文庫


ストーリーは 勤務先の美術館に宅配便が届く。
差出人はひと月前、孤独のうちに他界した父。
つまらない人間と妻には疎まれても、
娘の進路を密かに理解していた父の最後のメッセージとは……(「無用の人」)。
歳を重ねて寂しさと不安を感じる独身女性が、
かけがえのない人に気が付いたときの温かい気持ちを描く珠玉の六編。

最後の伝言 Save the Last Dance for Me
月夜のアボカド A Gift from Ester´s Kitchen
無用の人 Birthday Surprise
緑陰のマナ Manna in the Green Shadow
波打ち際のふたり A Day on the Spring Beach
皿の上の孤独 Barragan´s Solitude

どの作品も人生の半ばにさしかかった独身女性が様々な別れに遭遇し、
その時の気持ちを切なくも温かく描かれた作品でした。

「最後の伝言」では父が典型的な髪結い亭主だったけれど、
それにもめげずに父の事を想いながら母の女としての想いが
最後まで込められていてくすりと笑えながらも
思わず涙が出そうになったり、
夫婦というのは外側からでは分からないというのがよく分かります。
こんな一途な母の想いがとても可愛らしくもありこんな女性にも憧れました。

「月夜のアボカド」の中の何気ない台詞がとても心に響きます。
いちばんの幸福は、家族でも、恋人でも、
友だちでも、自分が好きな人と一緒に過ごす、ってことじゃないかしら。
大好きな人と、食事で向かい合って、おいしい食事をともにする。
笑ってしまうほど単純で、かけがえのない、ささやかなこと。
高価なものがあったり、沢山の物に囲まれていても
やはり一番大事な人と食事をするというのが
どんなに人生の中で最高に幸せなんだと思わされました。
そしてその大事な食事で幸せをいかに充実させるかということもあり
大事な要素でもあると思いました。

「皿の上の孤独」は前半では元同僚のことばかり語っていたので
あまり主人公の女性のことは気になっていませんでしたが、
この女性も過去に大きな辛いことが幾度とあり、
お互いにそれを乗り越えてこの今という瞬間を生きてきているというのが
とても励まされました。
今日を生きた、だから明日も生きようという気持ち。
普通の人から見ていると何でもないことに思える日常でも、
困難な事を乗り越えている人から見るとこんな思いをしていながら
生きていると思うと共感せざるおえない気持ちになりました。

この作品では美術や建築物などの芸術に関することが出ていたので、
あまり馴染みがなかったのでそれがかえって新鮮で興味深かったです。
海外での話も多かったのでその光景が浮かぶのも良かったです。

どんなに辛く悲しいことでも誰かが必ずそばにいる。
そばにいる人が大切であるように、
自分もその人にとっては大切な人であるということに気付かされたり、
人は一人では生きていないということを改めて教えられた気がします。

原田さんの作品は何冊か読んでいますが、
さらりと読めてその中にジーンとくる言葉がくっきりと表れて
いつも心を清々しくさせてくます。
この作品でも同じくほんのりと心の中に温かい灯をともしてくれてました。
これから更に歳を重ねる上で大切な事を教えてくれた一冊でした。

原田マハ さいはての彼女 [作者は行]


さいはての彼女 (角川文庫)

さいはての彼女 (角川文庫)

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2013/01/25
  • メディア: 文庫


ストーリーは脇目もふらず猛烈に働き続けてきた女性経営者が
恋にも仕事にも疲れて旅に出た。
信頼していた秘書が手配したチケットはは行き先違いで――?
女性と旅と再生をテーマにした、爽やかに泣ける短篇集。

さいはての彼女
旅をあきらめた友と、その母への手紙
冬至のクレーン
風を止めないで 
の四編

仕事をやりがいとしている女性が主人公の話が主となっています。
そんな折に仕事に失敗し、行き詰った時に旅に出て
様々な人と巡り会うことで心が癒され
次へのステップに繋がって再生されていくというのが
清々しく描かれていてどの作品も良かったです。

女性がそれなりのキャリアを続けて仕事をしていくというのは、
男性とはまた違った孤独との闘いがあり、
そんな辛さを誰も言えず抱え込んでしまった場合には
こんな旅があったらどんなに心が解き放たれるだろうかと思いました。

どの旅でも自然の豊かさが描かれていて、
北海道でハーレーを乗っている心地良さや
自然の中での丹頂鶴が舞う光景などが目の前にあるかのような描写は
読んでいてもとても心地良かったです。

「さいはての彼女」で出逢った女性の凪の存在がとても印象的で
この物語に風を吹かせているかと思います。
そしてそんな彼女を育てた父親の存在も素晴らしいものがあります。
聴覚障害のあった凪は読唇術を習得しようとしても
なかなか出来ずにいたところ、
そこには耳の聞こえない人と「線」みたいなものが
あるのと答えていました。
けれど父の言葉は
そんな「線」はどこにもない。
もしあるとしたら、それは耳が聞こえる人たちが引いた「線」じゃない。
お前が買ってに引いた「線」なんだ。
そんなもん、越えていけ。どんどん越えていくんだ。
などと言いながら励まし自分の好きなハーレーに乗せていました。
自分の身を持ちながら自分とはまた違った娘を
このように育てていく姿には心打たれます。
これはもしかしたら身体の障害だけではなく、
人生の生き方もこのように乗り越えていって欲しいのだという
教えにも思えました。

「旅をあきらめた友と、その母への手紙」では
主人公が前半では一人旅をまだ満喫できない自分がいましたが、
時間を追うごとにそれが無くなっていきます。
いつも一緒に来ていた友達を想うことと同時に
自分の人生や友達の人生とその母親も考えることになり
こんな風にお互いに心の底から
思い合える友達がいることが羨ましいと思いました。
友達の母親への手紙を読んでいてとても胸が熱くなり、
主人公とほぼ同じ世代なので
ことさらこうゆう事柄には共感してしまいます。
人生を、もっと足掻こう。って言葉が印象的です。

「風を止めないで」は「さいはての彼女」に出てきた凪の母親の話です。
好きなハーレーに乗っていた時に事故に遭ってしまい
もうずっとハーレーを憎んでしまうかもしれないと思っていた時に
ハーレーに魅せられた娘の凪を思う人が訪ねてきたことによって
忘れかけていた心を再認識。
そしてこの心が新たなる門出に向かう予感がして
とても微笑ましく応援をしたくなる気分にさせられました。

人はどんな時、どんな場所でも立ち上がれることが
出来るのだと再認識できる作品でした。

原田さんの作品はテンポがありとても読みやすく
心にもすっと馴染んで言葉が入ってくるので心も癒されます。
何度でも読みたい作品です。
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