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東野圭吾 魔力の胎動 [作者は行]


魔力の胎動

魔力の胎動

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/03/23
  • メディア: 単行本


ストーリーは 映画化『ラプラスの魔女』前日譚 自然現象を見事に言い当てる、
彼女の不思議な“力”はいったい何なのか――。
彼女によって、悩める人たちが救われて行く……。
東野圭吾が価値観を覆した衝撃のミステリ『ラプラスの魔女』の前日譚。

「ラプラスの魔女」が読み終わったので
前日譚ということで手に取りました。

第一章 あの風に向かって翔べ
第二章 この手で魔球を
第三章 その流れの行方は
第四章 どの未知で迷っていようとも
第五章 魔力の胎動
の5つの章でなっています。

スキージャンパー、野球などのスポーツを科学的、
物理学的を中心にして解明されているので通常とは
違った見方でスポーツを楽しめた気がします。
そしてナユタの視点からミステリーとなり円華との接点などが分かり、
「ラプラスの魔女」の補足的なストーリーへと続いています。

特別にこの作品を読まなければ「ラプラスの魔女」が
分からないというわけでもなく、
これは単なる補足的なものでそれぞれが単独なストーリーと
なっているのでそれを楽しんで読むのが良いかと思います。

ナユタの正体が思わぬ形で分かってしまいますが、
その部分が「人魚の眠る家」の作品を想像させてしまいました。

どんな分野でも理論的に的確に描かれているので、
面白く読みやすかったです。
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東野圭吾 ラプラスの魔女 [作者は行]


ラプラスの魔女

ラプラスの魔女

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/05/15
  • メディア: 単行本


ストーリーは "円華という若い女性のボディーガードを
依頼された元警官の武尾は、行動を共にするにつれ彼女には
不思議な《力》が備わっているのではと、疑いはじめる。
同じ頃、遠く離れた2つの温泉地で硫化水素による死亡事故が起きていた。
検証に赴いた地球化学の研究者・青江は、双方の現場で謎の娘・円華を目撃する――。
価値観をくつがえされる衝撃。物語に翻弄される興奮。
作家デビュー30年、80作目の到達点。
これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった。
そしたらこんな作品ができました。 ――東野圭吾"

東野さんの作品が好きで色々な作品を読んでいますが、
何となく初めの印象がガリレオシリーズのように
なっていくのかと想像していましたが、
少々違ってくるところが面白くなっていくのですが。
つい最近に「人魚の眠る家」を読了したばかりだったので
その要素も入っていたので最先端の医療技術というものは
人の想像をはるかに超えて人生観も変えてしまうような印象でした。

ラプラスの魔女になった女性とラプラスの悪魔になってしまった男性。
自分の意思ではなくありことがきっかけで
そうならざるおえなかったとしても、
魔女になってしまった方はまだ良いとしても、
悪魔になってしまった方は本当に取返しのつかないことだと思います。
こうなってしまったのもこのストーリーの鍵でもある
父子性欠陥症という聞きなれないものがありましたが、
実際にこのようなものがあるのだと思うと怖いです。

「未来がどうなるか不明だから、人は夢を持てる。」と
「世界は一部の天才や、あなたのような狂った人間たちだけに
 動かされているわけじゃない。
 一見何の変哲もなく、価値もなさそうな人々ことが
 重要な構成要素だ。」
という言葉も印象的で科学が進歩している咋今ですが
何処まで人間らしく保つ出来ることが出来るかということも
これも今生きている人間にかかっているかと思いました。

「人間は原子だ。一つ一つは凡庸で、
 無自覚に生きているだけだとしても、
 集合体となった時、劇的な物理方程式を実現していく。」
という言葉が人を物理的に表現しているところが
東野さんらしくて説得力があるなと思わされました。

今回は特殊な能力がいくつか出てきますが、
これは読んでいるとあまりインパクトが無いと思いますが、
映像化してみるとインパクトが強くなるので見応えが
ありそうな気がしました。

ラストの未来は一体どうなっているのか・・・
その問いに知らないほうがきっと幸せだよ
というのがとても意味深に思えて余韻を漂わせています。

今までの東野さんの作品とは一味った印象で
インパクトがやや薄い感じがしましたが、
ストーリーは面白くて引き込まれてかなり厚みのある本でしたが
捲る手が止まらずにあっという間に読み終えてしまいました。
空想科学ミステリーといっても過言ではなく、
今までのミステリーの概念を変えた作品だと思いました。
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原田マハ キネマの神様 [作者は行]


キネマの神様 (文春文庫)

キネマの神様 (文春文庫)

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/05/10
  • メディア: 文庫


ストーリーは39歳独身の歩は突然会社を辞めるが、
折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、
多額の借金が発覚した。
ある日、父が雑誌「映友」に歩の文章を投稿したのをきっかけに
歩は編集部に採用され、ひょんなことから父の映画ブログをスタートさせることに。
“映画の神様”が壊れかけた家族を救う、奇跡の物語。

一昔は映画館で映画を観るといえば一つの大きな娯楽、
イベント的なものとして捉えられていましたが、
近年はDVDやネットでの観賞が出来る為、
映画を観るということが特別なことではなくなってきました。

この作品を読んでいると映画がいかに楽しいものであり、
映画館で映画を観るということが特別に良いものだということを
再認識させられた思いがしました。

作品中に何作も出て来た映画のタイトルを見るたびに
昔観た映画が出て来たので、
それを思い返すの懐かしく楽しめました。

歩の父の映画に対するまっすぐな思いがひしひしと伝わる一方で、
元来のギャンブラーの部分があり家族を困らせてしまいますが、
そのアンバランスさと危うさが良かったです。
このアンバランスなところがお母さんは苦労してしまうけれど、
そんな所も含めて好きになっているのが
夫婦のバランスが上手くとれて良い夫婦だなと思いました。
歩も映画を通して今まであまり打ち解けられなかった父と
心を通わせることができ、これで本当の家族の絆が
出来て良かったと思います。
映画を通して家族が一つになれるというのも
素敵なことだと思いました。

中盤からローズバッドの存在が大きく占めてきましたが、
このローズバッドが誰かとそればかり気になり、
ついに正体が明かされた時には意外な正体で吃驚しました。
少々辛口で物事を正面ではなく裏から見てみていて、
怖いような存在でもありましたが時に的を得ていることもあり
こんな映画の見方もあるのかと思いました。

ローズバットと父とのブログでの攻防戦もなかなかのもので
一つの映画に対してこれ程見方が変わるものかと考えさせられました。
ローズバッドの書き込みの中に「個々人が切に望んでいるのは、
さりげないことだ、家族が揃って、一緒に食事を囲んで、
日々の出来事を会話する。ただそれだけのことだ。
そんな「小さな平和」すら、決して許されないのが戦争なのだ。」
この言葉はとても重みがあり、戦争の事も語っていますが、
後から振り返ってみると自分の身も案じながら小さな幸せを感じて
いたのかもしれないかと思ってしまいました。

最後まで心温まるストーリーで映画のラストシーンのように
字幕が出てきそうな雰囲気で、
明日への光が導いているような余韻が味わえた作品でした。

一つだけこの作品につけ加えたいたのが、
ローズバットとお父さんが会えるようにしてあげたかったです。
また会えないのも映画のワンシーンの出来事のようで
良いかもしれないですが。

この作品を読み終えた後には久しぶりに大きなスクリーンで
映画を観たくなった気分になりました。
そして淀川長治さんの言葉をお借りすると
「映画って本当に良いものですね。」と言える作品でもあり、
「本も本当に良いものですね。」と言える作品だと思います。
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原田マハ 楽園のカンヴァス [作者は行]


楽園のカンヴァス (新潮文庫)

楽園のカンヴァス (新潮文庫)

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/06/27
  • メディア: 文庫


ストーリーはニューヨーク近代美術館のキュレーター、
ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。
そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。
持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、
手がかりとなる謎の古書を読ませる。
リミットは7日間。
ライバルは日本人研究者・早川織絵。
ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとは――。
山本周五郎賞受賞作。

原田さんの作品は何作が読んでいますが、
美術ミステー作品は初めて手に取りました。

美術全般に関して知識が詳しくないので、
あまり意味の分からない所がありましたが、
ストーリーの展開がワクワクしていたので
割とさくさくと読めた気がします。

絵画の作品が紹介されている部分では
どんな作品なのかとネット検索しながら読んでみたので、
少しは作品の雰囲気も味わえたかと思います。

美術作品とミステリーというのは一見すると
あまり関係のないように思いますが
よく考えてみると一枚の絵を巡って色々な見解があり、
その裏で当時の時代背景、思想など様々なものが入り、
謎が謎を呼び一番ミステリー性があるものだと思ってしまいました。
本当の事を知っているのは、絵を描いた本人。
一つの物に隠された真実を見破るのは、
今も昔も難しいものだとつくづく思い、
またそのミステリーが明かされないのが美術の魅力だと思えて、
美術品というのは奥が深いなと思いました。

美術ミステリーと同時に展開されれていたことが
ラストになって意外な展開になりこちらはミステリーではなく、
さらりとして明るい未来を暗示させていて吃驚です。

ルソーにこんなにも魅了される人達がいると思うと、
実際に美術館に行ってみてルソーの作品を
見てみたいと思いました。
そしてこれをきっかけに美術にも少し関心を寄せてみたいと思います。
美術の知識や関心が無くても楽しく読める作品でした。

原田さんの作品は心温まるものが多いですが、
このような奥深いもの良いです。
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東野圭吾 素敵な日本人 [作者は行]


素敵な日本人 東野圭吾短編集

素敵な日本人 東野圭吾短編集

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2017/03/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


ストーリーは短編も、東野圭吾。
規格外のベストセラー作家、死角なし。
登場する人物がどこか知人に似ていたり、
あなた自身にも経験のあるトラブルだったり、
つい思い浮かべてしまう妄想の具現化だったり、読み心地はさまざま。
ぜひ、ゆっくり読んでください。
豊饒で多彩な短編ミステリーが、日常の倦怠をほぐします。

正月の決意
十年目のバレンタインデー
今夜は一人で雛祭り
君の瞳に乾杯
レンタルベビー
壊れた時計
サファイアの奇跡
クリスマスミステリ
水晶の数珠   9編収録

帯に毎日寝る前に毎日寝る前に一編。ゆっくり、読んでください。
と書かれていたのでいつもよりゆっくりと読んでいましたが、
やはりどのミステーも面白いのでついどんどんと読んでしまいました。

それぞれの作品の印象を簡単に書くと
正月の決意
格式ばった正月からの痴話喧嘩でラストにはほっとしたて、
明日への希望を見言い出す感じが良かったです。

十年目のバレンタインデー
恋が発展してくのかと思ったら、
十年目にしてどんでん返しの目論み面白い。

今夜は一人で雛祭り
雛祭りの飾り方一つでこんなサスペンスになるのが面白い。
正しい雛人形の飾り方が学べます。

君の瞳に乾杯
職業柄から顔をきっりちと見破るのがお見事でした。

レンタルヘビー
赤ちゃんだけでなく他の諸々もレンタルだったというのに驚く面白さ。
そして平均寿命が120歳だったらこんな体験もしてみたいなと思いました。

壊れた時計
証拠隠滅しようとしたら余計な墓穴を掘ってしまって思わず
くすりと笑ってしまう事件。

サファイアの奇跡
どちらが奇跡の猫か?イナリの奇跡?
猫の話だけにミステリアスな雰囲気が満載でした。

クリスマスミステリ
クリスマスにダイイングメッセージが届いたかのように事件が
解決していくのがお見事です。

水晶の数珠
父親に勘当されて憎まれ口をされたとしても、
どんな状況でも親はいつでも子供のことを思っているのだなと
つくづく思いました。
こんな水晶の数珠があったら一度くらいは使ってみたいと思いました。

好きな作品は正月の決意、レンタルベイビー、
壊れた時計、水晶の数珠。
ヒューマンものやユーモラスのあるもの、
そしてラストには大どんでん返しのものがあるので
ミステリーだけれど思わずくすりと笑えてしまったり、
心が温まってしまうミステリーがあって東野さんらしい作品でした。

四季折々の風習、イベントごとにミステリーが綴られているので、
これが日本人らしいミステリーなのかと思ってしまいました。
どれも読みやすくてさらりとしているので、
眠る前に読むのはお勧めな一冊だと思います。

時このようなにはあっさりとしたミステリー短編集も良いなと思いました。
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藤崎彩織 ふたご [作者は行]


ふたご

ふたご

  • 作者: 藤崎 彩織(SEKAI NO OWARI)
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/10/28
  • メディア: 単行本


ストーリーは彼は、わたしの人生の破壊者であり、創造者だった。
異彩の少年に導かれた孤独な少女。
その苦悩の先に見つけた確かな光。
SEKAI NO OWARI Saori、初小説!

直木賞ノミネート作品というので手に取りました。
セカイノオワリのファンでもないので、
特にこのバンドの事などは知らないですが、
独特な世界感があるというのは何となく知っていたので
この作品にも少しそのテイストが出ているなと思いました。

前半は夏美の少女としての恋愛や多感な思春期で好きな人を
苦しみもがきながら常に想っていたというのが
よく伝わり、読んでいてもとても苦しかったです。

後半からは恋愛というよりもセカイノオワリの結成から
デビューまでの道のりが書かれていたという印象で、
特に前半からの孤独な少年はボーカルの深瀬さんを
想像できる部分が多く、
他のメンバーも想像できる部分が多かったです。

好きな男性をふたごのように想うのは良いかもしれないですが、
やはり違う人間なのだから双子のようにぴったりと想いが
出来ないということが、ラストになってやっと分かってきたことが
良かったような切ないような思いになりました。

文章が割と短絡的で日記のようなので読みやすいです。
恋愛小説というよりも自叙伝ような気もしました。

この作品で初めて小説を書いたということなので、
次の作品を書く場合はどのようになるのかというのが
気になるところです。

セカイノオワリを知らない方はこの本を読むと良いかもしれないです。
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東野圭吾 祈りの幕が下りる時 [作者は行]


祈りの幕が下りる時 (講談社文庫)

祈りの幕が下りる時 (講談社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/09/15
  • メディア: 文庫


ストーリーは 悲劇なんかじゃない これがわたしの人生。
極限まで追いつめられた時、人は何を思うのか。
夢見た舞台を実現させた女性演出家。
彼女を訪ねた幼なじみが、数日後、遺体となって発見された。
数々の人生が絡み合う謎に、捜査は混迷を極めるが…。
第48回吉川英治文学賞受賞作品!
1000万人が感動した加賀シリーズ10作目にして、
加賀恭一郎の最後の謎が解き明かされる。

東野さんの作品は好きなので様々に読んでいますが、
加賀恭一郎シリーズはあまり読んでなかったですが、
1月に映画の公開になるというので手に取りました。

今回も沢山の登場人物が出てきて
そこから様々な伏線が出てくるのですが、
それが後半にならないとなかなか犯人らしき人物が
浮かび上がらないのでかなり読み応えがありました。

一つの小さな悲劇から一生自分の本当の名前と正体がばれないように
生きていくという過酷な人生。
その事を選択する時には一瞬のことだけれど、
歳月が経つごとにそれがいかに罪深く生きていくこと、
そして辛くて孤独な人生だということが伺え知ることが出来ます。
それがまして自分の事で他人までも巻き込んでしまうとなると
どんなに辛い人生だったかと想像してします。

犯人に辿りついた時にとても切なくも悲しく、
何とも言いようのない無念さが残りました。

今回は加賀シリーズの集大成となっているので、
加賀の謎であった父と二人であったことが解明されていきます。
それと同時に封印されていた母との記憶、
母の想いはとても切なくて目頭が熱くなる思いです。

時々東野さんの作品にはミステリーながらも
家族をテーマにしたストーリーがねじ込まれているので
とても共感でき、この作品でも親子の絆が主軸になっているので良かったです。

これで加賀シリーズが終わりというのも寂しい気がしますが、
読んでいないものがまだ沢山あるので、
これからでも徐々に読んでみようかと思っています。


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東野圭吾 マスカレード・ナイト [作者は行]


マスカレード・ナイト

マスカレード・ナイト

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/09/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


ストーリーは若い女性が殺害された不可解な事件。
警視庁に届いた一通の密告状。
犯人は、コルテシア東京のカウントダウンパーティに姿を現す!?
あのホテルウーマンと刑事のコンビ、再び――。

マスカレード・イブ、マスカレードホテルを読み
マスカレードシリーズが面白くてこちらを手に取りました。

第三弾シリーズなのでストーリーが続いているかと思われますが、
これもまた違うストーリーですが、ホテル勤務の山岸と新田が
以前よりも歳月を重ねているのでそれぞれの仕事での
成長ぶりが垣間見れます。

けれど以前よりも山岸と新田のコンビがそれ程際立っていないし、
特に山岸のホテルマンとして完璧な仕事ぶりが
今回はあまり見れなかったので少し残念です。
それでも無謀なお客さんの要望には「無理です。」とは言わずに
必ず応えている姿勢は目を見張るばかりか尊敬をしてしまいます。
こんなコンシェルジュがいるホテルならば是非宿泊してみたいです。

今回もラストまで犯人がなかなか分からず、
読み始めたらストーリーにのめり込み一気にラストまで読んで
やっと犯人に辿り着いて真相が分かりました。
けれど犯人のこの事件を起こす動機が今の時代背景を
映し出しているかと思うのですが、少し無理矢理な気がしました。
ここまで複雑な手段を選ぶなんて余程の恨みがないと
出来ないかとも思えました。
ちょうど1か月前に東野さんの作品の「片想い」を読み、
wowowでのドラマとも重なっていたのでそれも思い出されました。

ホテルで男女のカップルが宿泊するというのは
それなりに訳があり、それが表だって美しいものではなく、
時には裏では悲しくも物悲しいものがあったりするものだと
今回もホテル内での人間模様にそれぞれの人生を考えさせられました。

それにしてもラストのどんでん返しにはやられてしまいました。
1つだけでなく何度もどんでん返しが来て、
読み終わっても少し頭の中がこんがらがって
暫く頭の中を整理しないと真相が掴めないほどでした。

山岸のエピソード話で
「ここ数十年で時計は飛躍的に正確を刻むようになりました。
 少々の安物でも一日に一秒も狂いません。
 でもその結果、約束の時間に遅れる人が増えた、という説。
 時計に頼りすぎではいけないのと同様、
 自分の感覚だけを頼りにするのは危険。
 時間と同様、心の距離感にも余裕が必要ということ。」
山岸のエピソード話はホテルマンだけでなく読み手側にも
心に響き勉強になるので好きです。

今回もホテルという特別な空間での様々な出来事を
ミステリーという形でドキドキしながら楽しむことが出来ました。
ラストでは山岸がロサンジェルスに転勤になるということが
出てきますが、次回の舞台はロサンジェルスロスになるのでしょうか?
それを期待して次回の作品を楽しみにしたいと思います。
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原田マハ 星がひとつほしいとの祈り [作者は行]


星がひとつほしいとの祈り (実業之日本社文庫)

星がひとつほしいとの祈り (実業之日本社文庫)

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2013/10/04
  • メディア: 文庫


ストーリーは時代がどんな暗雲におおわれようとも、
あなたという星は輝きつづける――
注目の著者が静かな筆致で描く、20代から50代まで、
各世代の希望と祈りを見つめ続けた七つの物語。

椿姫 La travita
夜明けまで Before the Daybreak Comes
星がひとつほしいとの祈り Pray for a Star
寄り道 On Her Way Home
斉唱 The Harmony
長良川 River runs Tharough It
沈下橋 Loverlei

女性の様々な世代に渡って人生の節目、決断をする時などと
様々な物語が綴られています。

原田さんの作品は好きなので何冊か読んでいますが、
「さいはての彼女」、「生きるぼくら」などのように
力強く明るいものでは無いですが、
静寂の中に切なくもあり、その中でゆっくりと小さな光が
注がれているという感じで読み終わってからも
じんわりと味わうものがありました。

原田さんの作品では旅の中での物語がよくあり、
今回も殆どにありました。
それで地元の方言や美しいその時の風景などが丁寧に描かれているので
とても読んでいて心地良いものでした。

解説にもありましたが「さいはての彼女」に収録されていた
「旅をあきらめた友と、その母への手紙」のハグとナガラが
この作品にも登場されいて続編のようになっているので
少し得をした気分になりました。
こうゆう小さな所で以前の作品が登場するというのも
他の作品を読んできた面白さを振り返ることが出来るので良いです。

どの作品も良かったですが、中でも良かったものは
「星がひとつほしいとの祈り」と「長良川」です。
「星がひとつほしいとの祈り」は他の作品とは少しテイストが違い
昔話かおとぎ話でも聞いているような気にもなりました。
丁寧なヨネさんの喋り方や慎ましくも力強い人生、
そして心温かい人柄とても心が打たれました。

「長良川」では亡き夫との思い出やエピソードが語られている部分は
夫と優しさや人柄がとてもよく出ていてそれがまた涙をそそられました。
こんな風にお互いを思い合える夫婦が素敵だと思い、
それをまた娘夫婦が軌跡として繋いでいるのが微笑ましかったです。
夫がふと語る言葉がどれも素朴でいて可愛らしくて好きです。
中でも 
 川があって橋が架かって、人々が行き来して。
 川辺があって、家が並んで、釣り人が糸を垂れて。
 水鳥、魚、鵜舟、大昔から続いている、人間の営み、
 その中心を、静かに流れていく川。
 人間ってちっつちゃいよな。でも、ちっちゃいなりに、
 川と一生懸命に付き合っているんだな。
 人間って、なんだか可愛いな。
 そんなふうに思って、おれもちっちゃい、可愛いもんだ、って。

特別インパクトある言葉がある訳でもなく、
普通の言葉ですがどこか心を和ませたり、癒されることがあり、
それによって人生の節目などで落ち込んだ時に読んだら
背中をそっと押してくれそうな作品ばかりなので
また再読したい一冊になりました。

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東野圭吾 片想い [作者は行]




ストーリーは大学時代、ともに汗を流したアメリカンフットボール部の仲間たちとの同窓会。
エースQB(クォーターバック)だった西脇哲朗はマネージャーの
理沙子と結婚していたが、二人の仲は最近うまくいっていなかった。
同窓会の帰り道、哲朗はもう一人のマネージャーだった日浦美月に十年ぶりに出会う。
昔から性同一性障害で苦しんできたという美月は、今は男として生きていると告げる。
そして、さらに衝撃の告白をする。
「人を殺したんだ」 翌日、アメフト部のランニングバックで
美月と付き合っていた中尾功輔が哲朗の家を訪ねてくる。
十年という歳月はかつての仲間たちを、そして自分を、変えてしまったのだろうか。
事件はなぜ起きてしまったのか?
真相にたどり着こうとする中で、次々と明らかになっていく苦悩に満ちた事実。
30代半ばを過ぎ、恋愛や結婚、仕事に行き詰まりながらも、
過ぎ去った青春の日々を裏切るまいと再びフォーメーションを組む仲間たち。
最後に訪れる美月の、哲朗の、理沙子の、中尾の決断とは。
そして“片想い"の意味とはーー。 映像化を切望された東野圭吾の傑作ヒューマン・ミステリー、
2017年、中谷美紀主演でWOWOWドラマ化!

10月からWOWOWドラマ化というので手に取りました。

今では性同一障害、トランジェスターなどといった性や性差について
公になりだいぶ理解しつつありますが、
この作品はもう10年以上前に書かかれているの着眼点が鋭いと思いました。

マネージャーだった女性の日浦美月が十年ぶりに出会った時には男性となっていた。
そしてその美月がある殺人事件に巻き込まれいくミステリーになっていきます。
このミステリーを解くのもこの物語の醍醐味かと思いますが、
それよりも何よりも一番に感じられたのは
性別、性とは何かということです。
染色体で結合だけでの性別だけでなく、
この世の中にはメビウスの帯のように男と女には
裏表がありそれが限りなく続いているものだと
この作品を読んでいるとつくづく思えます。

本文中の
「人間は未知なるものを恐れます。 恐れて、排除しようとする。
 どんなに性同一障害という言葉がクローズアップされても、
 何も変わらない。
 受け入れれたいという我々の思いは、たぶんこれからも伝わらない。
 片想いはこれからも続くでしょう。」
この言葉はとても痛烈でこれが当人達の心の叫びだと思うと
とても耳が痛い思いがしました。

タイトルを見た時には恋愛の片想いだとばかり思っていましたが、
この片想いはあらゆる人の立場で想いや願いなどが詰まっている
重みのある想いだと思います。

ラストは元アメフト部の仲間ということで、
少し切ない所もありましたが、爽やかな展望が見られて良かったです。

登場人物が多く途中で名前が変更になったりしたり、
色々と複雑な人間模様でとても読み応えがあります。
600ページというとても分厚い本でしたが、
それを感じさせない興味深さがあり一気に読んでしまいました。

重いテーマのある作品でしたが、
このような形で性というものを考えるというのを一石を投じることに
なり意味のある作品だと思いました。
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