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荻原浩 家族写真 [作者あ行]


家族写真 (講談社文庫)

家族写真 (講談社文庫)



ストーリーはちっちゃい赤ん坊だった準子が嫁に行くんだぞ
――男手一つで育てた娘を嫁がせる「結婚しようよ」。
あの主人公が同年代の54歳と知って愕然とする「磯野波平を探して」。
もはや見ないふりできない肥満解消のため家族で
ダイエットに励む「肉村さん一家176kg」他。
短編の名手による、笑って泣ける7つの家族の物語。

今まで荻原さんの作品を何冊か読みましたが、
どれも感動で涙なくしては読めないものばかりでしたが、
これはほろりとさせられてそしてまたくすりとした笑いもあり
とても和める作品ばかりでした。
家族をテーマにした作品でこんなに笑えて微笑ましく思えたのは
初めてかもしれないです。

家族の親子、夫婦、兄弟などのそれぞれの絆が
またこの作品で再確認でき、中年と言われる世代を
切なくもユーモラスに描いていて
まさにこの世代の私にとっては心を鷲掴みされたような気分になりました。

一つだけ少しタイプに違う「プラスチックファミリー」は笑わせてもらいました。
一体のマネキンに遭遇してから意外な方向へと向かっていき
怪しい方向へといってしまうのかと思いきや、
一連の行動をしている心の中には過去の切ない思いが重なり
そこから生きていくことの厳しさや大切さを教えられました。

印象に残ったものは「磯野波平を探して」です。
磯野波平の年齢が54歳でフネが50歳という年齢にまず驚かされ、
それから主人公もあたふたとしながら人生というものを考える。
文中の
 あきらめちゃだめなのか?年齢を。
 若さイコール善。そうした一画的な価値観に縛られているから、
 俺たちの人生は窮屈になっているんじゃないだろうか。
 相手もいないのに憔悴に身構えしているのではないのか。
このフレーズがまさに心の的を得られた感じで
心のどこかで自分が言いたかった言葉だと思い心打たれました。

どの家族も読み終えた後には家族は良いものだと思わされ、
人生半ばだけれどまだまだ人生は捨てたものではないと思わされ、
爽快で心が温まる作品でした。

大崎梢 忘れ物が届きます [作者あ行]


忘れ物が届きます (光文社文庫)

忘れ物が届きます (光文社文庫)



ストーリーは不動産会社の営業で訪れた家の主人が、
小学生の頃の自分を知っているという。
驚いた自分にその元教師が語ったのは、
なぜか二十年前に起きた拉致事件の真相を巡る推理だった。
当時の記憶が鮮やかに蘇る…(「沙羅の実」)。
長い日々を経て分かる、あの出来事の意味。
記憶を遡れば、過去の罪と後悔と、感動が訪れる。
謎が仕組まれた、極上の「記憶」を五つ届けます。

沙羅の実
君の歌
雪の糸
おとなりの
野バラの庭へ 五つの物語

過去の記憶を辿りながらミステリーをひも解いていていくというタイプですが、
ぼんやりと記憶が甦っていき謎解きも叙情的になっているので
徐々に胸に打たれる感じで、
今まで読んだミステリーとは違ってじわじわと引かれていきました。

表紙の絵からは想像できないようなストーリーですが、
過去からの記憶の忘れ物がふっと訪れていき、
心の中もタイムスリップされてミステリーのはずなのに
どこか心が温まるという心地良いミステリーでした。

この中では「沙羅の実」、「君の歌」が好きで
学生時代の青春の記憶が蘇り、ほろ苦く懐かしい気持になりました。
特に「沙羅の実」では一番初めの章だったので
ミステリーという観念が無く読んでいたのでラストになり、
どんでん返しのように話がひっくり返ったので吃驚しました。
この作品だけでなく他の作品でもミステリーの気配がなく、
そのまま犯人の解明になってしまうので
またページを戻して謎解きに戻ることが何度かありました。

「おとなりの」は割とミステリーにはありがちな展開ですが、
隣人のような行動が出来るのも感心しますが、
少年同士の固い友情にも胸を打つものがあり好きな作品です。

推理小説のような伏線があるわけでもなく、
そこから推理が始まるというのがこの本の面白い味かとも思いました。
それと文章からどことなく品の良さのようなものが漂い、
読み終わった後も心が和み余韻も味わえました。

こんな風に過去の忘れ物がふとしたところが訪れるのが
良いのか悪いのか・・・
ふと自分の人生も振り返りたくなる作品ばかりです。

大崎さんの本はこの本が初めて手に取りましたが、
他の作品も読んでみたくなるような作品ばかりだったので
引き続き読みたいと思います。

色川武大 離婚 [作者あ行]


離婚 (文春文庫)

離婚 (文春文庫)



ストーリーは納得ずくで離婚したのに、
ぼくはいつの間にかもと女房のところに住みついているのです
─奇妙な男と女の世界を、独特のほろ苦いユーモアで活写した直木賞受賞作

離婚という形を取っているものの、
別れてからもお互い行き来をしていて結婚していた頃よりも
お互いに気を遣い合っているという不思議な男女の関係です。
元妻は女性という性別でいけば女らしい生きものかもしれないですが、
結婚という形をとるには相応しくなかった相手なのかもしれないです。

この男性もまた他の女性を好きになりながらも、
それ程欲を出すことがなく、
女性だけでなく人生全体に対して無難に
ゆるく生きているような感じがして
良いのか悪いのか分からない雰囲気でした。

けれど遊園地という自分の理想郷のようなものが
身近にあったりして危うい気配もあったりしたので
それ程女性には苦労しないタイプなので
こんなにぼんやりとしているのかとも思えました。
このぼんやりとした感覚をもしかしたら楽しんでるのかもしれないです。

こうなると結婚という形は今も法律上だけの問題という考え方もあり、
どんな形であっても一緒にいて心地良い人であれば問題ないのかと思えました。
この作品は昭和50年代なので、
この時代に現代のような考え方が生まれるというのは先を
読んでいたのかと思えてしまいました。
離婚ということよりもむしろその先の生き方をどうするかということも
テーマであった気がします。


この本は文藝春秋が運営する本のWEBサイトのプレゼント企画で
頂いた本なので作者の事も知らず、何も情報が無かったので
先入観がなくまっさらな状態で読めました。
この場を借りてお礼を申し上げます。
どうも有り難うございました。
これをきっかけに他の作品も機会があったら読んでみたいと思います。

荻原浩 月の上の観覧車 [作者あ行]


月の上の観覧車 (新潮文庫)

月の上の観覧車 (新潮文庫)



ストーリーは閉園後の遊園地
高原に立つ観覧車に乗り込んだ男は月に向かって
ゆっくりと夜空を上昇していく。
いったい何のために? 去来するのは取り戻せぬ過去、
甘美な記憶、見据えるべき未来――
そして、仄かな、希望。ゴンドラが頂に到った時、男が目にしたものとは。
長い道程の果てに訪れた「一瞬の奇跡」を描く表題作のほか、
過去/現在の時間を魔術師のように操る作家が贈る、極上の八篇。

トンネル鏡
上海租界の魔術師
レシピ
金魚
チョコチップミントをダブルで
ゴミ屋敷モノクローム
胡瓜の馬
月の上の観覧車

八作品のうち六作品が四十代以上の主人公で
そろそろ人生の折り返し地点を通過している世代がターゲットになっています。
そんな年代になると日々過ごしているとふとした時に
過去の事を思い浮かびこうすれば良かったと思うことがあります。
そんな世代の人達が人生を振り返った時々のことが綴られていますが、
どの作品も普段隠れている心の隅をぎゅっと掴まれたように
どこか切なく淋しさがあり脆くも涙が出てしまいそうなものばかりでした。

主人公が女性で過去を振り返りながらも唯一未来に向かっている
作品の「レシピ」はこの中ではとても印象的で、
作者は男性なのに女性の心理をよくぞここまで把握しているなというのが
書かれていて面白く、料理と過去の男性をこのようにして
思い返しているというアイデアも面白かったです。
そして女性らしいラストの潔さに爽快でした。

歳を重ねると今までなんてことのない事だったことも
何か大きな人生の転機があると
今まで身近だった家族、夫婦子供、友達、同級生、同僚などが
特別な存在だったということに気が付き
だからそんな時に「もしもあの時にこうしていれば」と
思うことが多くなるのかと思います。
けれど過去ばかり振り返っていても何も変わることがないので、
少しでも今までとは違う自分を取り戻して、
未来へ歩んで欲しいというメッセージもこの作品の中からは
読み取れるような気もしました。

若い方が読んだらまた違う観点からの感想になるかと思いますが、
歳を重ねたからこそこの深みのある心境が分かるかと思うので
アラフォー世代の方が読むにはまさに打ってつけの作品だと思います。
これで人生の準備としての心構えも出来るかと思います。

人生でもし何かに躓いた時に読み返してみても
今とはまた違った心境にもなると思うので、
読み返してみたい作品だとも思いました。

青木祐子 幸せ戦争 [作者あ行]


幸せ戦争 (集英社文庫)

幸せ戦争 (集英社文庫)



ストーリーは念願の一戸建てを購入した氷見家。
そこは、四軒の家が前庭を共有している場所だった。
親切な他の三家族とともに幸せな生活が始まるが……。
誰もが思い当たる「ご近所」サスペンス

タイトルからは幸せそうなストーリーを想像していましたが、
四軒の家があるということは、
そこにまたそれぞれの家族があり
それまでの作りあげた環境でご近所付き合いが異なっていて
表と裏ではこんなに違うのかと思い驚きと共に怖い世界だと思いました。
ご近所付き合いというのはやはり主に主婦が主体となるので
四家族の主婦の視点と娘さんがこの小説では主になっていました。
大人のドタバタ劇を意外と冷静に見渡しているのは子供で、
特に娘さんというのは大人顔負けに見ているのが面白かったです。

それにしても表向きに上手く付き合っていたとしても、
これほど女性の性格が違うと
例えご近所でも親しくしていこうとすると無理がたたるのかと思いました。
ご近所付き合いというものを殆どした経験がないのですが、
この中で苦手なのは美和と朝子。
どちらも近所付き合いに敏感になりすぎて嫌な面がありますが、
美和はあまりにも強烈で近くにいたらずけずけと
入り込んできそうな感じで怖い気がしました。

女性はこれだけ強烈な性格ですが、
男性はその反対に弱腰な人が多いので、
何かいざこざがあった時などはここぞのいう時に登場して欲しいと思いました。
現実の社会でもこれは同様なことかもしれないですが。

ども家族も幸せになりたいという気持は一緒ですが、
その形はそれぞれで、
それがご近所付き合いと絡めてくると複雑になると思うので
ご近所とはいえ程々の距離感で付き合うのが一番と教えてくれた作品でした。


荻原浩 海の見える理髪店 [作者あ行]


海の見える理髪店

海の見える理髪店



ストーリーは主の腕に惚れた大物俳優や政財界の名士が通いつめた伝説の床屋。
ある事情からその店に最初で最後の予約を入れた僕と店主との
特別な時間が始まる「海の見える理髪店」。

意識を押しつける画家の母から必死に逃れて十六年。
理由あって懐かしい町に帰った私と母との思いもよらない再会を描く「いつか来た道」。

仕事ばかりの夫と口うるさい義母に反発。
子連れで実家に帰った祥子のもとに、
その晩から不思議なメールが届き始める「遠くから来た手紙」。

親の離婚で母の実家に連れられてきた茜は、
家出をして海を目指す「空は今日もスカイ」。

父の形見を修理するために足を運んだ時計屋で、
忘れていた父との思い出の断片が次々によみがえる「時のない時計」。

数年前に中学生の娘が急逝。
悲嘆に暮れる日々を過ごしてきた夫婦が娘に代わり、
成人式に替え玉出席しようと奮闘する「成人式」。
人生の可笑しさと切なさが沁みる、大人のための“泣ける"短編集。

直木賞受賞作ということで手に取りました。
家族の日々を描いた六編の物語。
母と娘、夫と妻、父と息子などと家族の形と視点は
それぞれですが同じような人生経験を
自分と重ねて合わせて読んでみるととても切ない気持ちになり、
当時の記憶が更に蘇り懐かしくもあり、嬉しかったり気恥ずかしくもなり
様々な気持ちに駆られました。
その中で「空は今日もスカイ」は少し違う雰囲気で、
まるで絵本を読んでいるかのようなリズム感が溢れ出ていて印象的でした。
英語をこのようにカタカナだけで表すとまた違った雰囲気と
言語に生まれ変わるのかと思えました。

家族を描いた小説はいくつか読んでいますが、
「成人式」のようなタイプは初めてです。
これだけは自分では経験の出来ない思いですが、
この夫婦の心の痛みと悲しみがあまりにも響き途中で
涙が出そうなのを堪えました。
娘のためだけでなく、自分達のために、
同じところを揺れてばかりの悲しみのメーターを、
どこかで大きく振り切らねばならないのだ・・・
というところは生きていく力強さのようなものを貰えたような気がしました。

どれも心に沁みて泣けますが、
その先には明るい光が射し込んでいるのが見えるので
とても爽やかな印象にもなり何度でも繰り返して読みたくなります。
そして家族というかけがえのないものを改めて大切に
したいと思える作品だと思いました。

荻原さんの作品はこれが初めてですが、
これをきっかけに他の作品も読みたいと思います。
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内村光良 金メダル男 [作者あ行]


金メダル男 (中公文庫)

金メダル男 (中公文庫)



ストーリーは小学校の徒競走での一等賞をきっかけに始まった「常に一番を目指す」男、秋田泉一。
何度失敗しても立ち上がり、あくなき挑戦を続け、
思いがけぬチャンスをつかんでいく。その一途な生き方を、
高度経済成長期からバブル崩壊を経て平成の今日に至るまで、
時代風景と重ね合わせながらユーモアたっぷりに描くエンタメストーリー。

映画の公開がされるということなので原作を読んでみたくなり手に取りました。
小説というジャンルよりも台本というかコントをそのまま読んでいるような感じで
テンポが良く読みやすく映像が脳裏に浮かびやすかったです。

全く同じ世代ではないですが、
やや同じような世代を歩いてきたので登場して来る
大きな事件、出来事、ヒット曲、映画、その当時流行ったものなど
あらゆるものが懐かしくてまるでタイムスリップしたかのようで
これだけ楽しむのもなかなかおつでした。

主人公の泉一が何度か甘酸っぱい思いをしてきたのも男子だけでなく、
女子も同じであり共感することが多々あり、
これも懐かしみながらくすりと笑えてしまいました。

小学校の徒競走で一等賞をきっかけに常に
一番を目指し続けるという姿勢は良いものの、
それがかえって裏目に出てしまい波乱の人生を
送ってしまうのかと思わされました。
けれどこのあきらめず、懲りない、へこたれないというのが
人生明日はどうなるのか分からないということから考えると
その時々に全力をかけて頑張ってきたことが
この泉一とって全部が宝物だと思えました。
どんな事でも変わらずに自分らしく全力に生きていくと
前向きな行動力にとても救われて、同じように元気が貰えました。

この小説は一人舞台『東京オリンピック生まれの男』を元にして
作られたので内村さんも色々な思いが込められています。
不器用だけれどいつも全力で懸命に生きていく
これが一番シンプルで大事ということが分かる作品でした。

有川浩 ストーリー・セラー  [作者あ行]


ストーリー・セラー (幻冬舎文庫)

ストーリー・セラー (幻冬舎文庫)



ストーリーは妻の病名は、致死性脳劣化症候群。
複雑な思考をすればするほど脳が劣化し、やがて死に至る不治の病。
生きたければ、作家という仕事を辞めるしかない。
医師に宣告された夫は妻に言った。
「どんなひどいことになっても俺がいる。だから家に帰ろう」。
妻は小説を書かない人生を選べるのか。
極限に追い詰められた夫婦を描く、心震えるストーリー。
Story Seller」に発表された「Side:A」に、
単行本のために書き下ろされた「Side:B」を加えた完全版

「side:A」と「side:B」と二つの短編が入っています。
「side:A」では小説家の妻が亡くなってしまうというストーリーで
「side:B」では小説家の妻の夫が亡くなってしまうというストーリーに
なっていますが、「side:B」では途中からこれは小説なのか、
それとも現実なのかと境目が分からなくなり時空を彷徨っていた感じでした。

ダ・ヴィンチで恋愛小説部門で第1位というので手に取り
かなり期待をして読んだのですが、
はっきりとしない終わり方だったので
少し期待外れではありましたが、
どちら側の妻にしても、これだけ夫から至れり尽くせりで
頼もしく心優しくて羨ましいなと思いました。
こんなに良い夫であるのはもしかしたら、夫の元々持っていたモノではなく、
妻が夫に対する好きでたまらなく、いつまでも自分だけのものにしていたい、
という気持ちが強くそれが夫に伝わっていたからそうさせたのかとのも思えました。
特に二つのストーリーのラストを迎える時には、
お互いの優しさが愛に溢れていて心打たれます。

小説家の心情が事細かに書かれていて現実味があったので
やはりこれは有川さんの現実の話か、
それとも願望かなとも考えてしまいました。

様々に想像させられるからこそ、
深い愛の形だと思えたりと一言では書きつくせない思いが多々ありました。
夫婦の在り方や大切な人を思う気持ちをまた考えさせられた作品でした。

宇田川久美子 薬が病気をつくる [作者あ行]


薬が病気をつくる ~薬に頼らずに健康で長生きする方法

薬が病気をつくる ~薬に頼らずに健康で長生きする方法

  • 作者: 宇多川 久美子
  • 出版社/メーカー: あさ出版
  • 発売日: 2014/04/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



第1章「薬が病気をつくる」では、身近な市販薬や漢方薬サプリメント
予防接種などに触れ、薬さえ飲めば病気は治るという誤った認識に警鐘を鳴らします。
第2章「医療が病気をつくる」では、医療界の実情を明かし、
薬害がなくならない現実や、新しい病気病人がつくられる実態について告白。
第3章「薬をやめると病気が治る」
第4章「薬をやめるとがんも治る」では、病気・がんとは何か、
どうして病気・がんになるのかを解説し、
生活習慣や思考法を改善することにより、身体に備わっている免疫力が高まり、
自然治癒力が発揮できる身体づくりの重要性
第5章「病気にならない身体のつくり方」では、著者自らの経験と栄養学・運動生理学などの
豊富な知識を活かした、正しいウォーキング法や食事の採り方、オリジナルエクササイズなど、
病気にならない健康

薬の恐ろしさや病気の予防についての本は他にもありますが、
著者が薬剤師としての知識と経験、
そして栄養学も兼ね備えているので
日頃薬に対して疑問に思っていることがあったので手に取りました。

体調が悪くなるとつい薬に頼ったり、
病院で医師に診てもらってはまた薬を処方してもらい
それを飲んで安心してしまい、もう治ったと思い安心してしまいます。
でもいくら同じ薬を飲んでいても治らないのは何故だろうと
本書の中にも書かれていましたが、私自身もその経験をしているので
不思議でたまりませんでした。
薬が身体を治してくれているのではなく、
あくまでも薬は治すための手助けという役割だというだけであって
あとは自分自身の身体で治す力があるということが
この本では分かりました。

どうしても飲まなければならない病にかかってしまったのなら
薬を飲む必要もありますが、むやみに飲む必要はないのだと思わされました。
薬の副作用は人様々ですが、やはり化学物質なので今は良くても
塵も積もれば山となるということで後になってから副作用が出るのが怖いです。
特に子供の頃から薬を多く飲み続けていると
免疫力が弱くなり大人になってから副作用として出て来る場合があったり、
薬は子供用としては開発されていなくて臨床になっているというのが
とても怖いと思いました。

乳がん検査ではマンモグラフィーが推奨されていますが、
あまりこれもよくないと思えました。
レントゲンも年に照射される回数が決まっていますが、
MRI、CTなどはあまり身体への危険性が言われていないので
乳がん検診のマンモグラフィーも同じように危険性を考えてから
検査を受けるべきだと思いました。

テレビでも現役の医師が人間ドッグには毎年行かない。
というのを観ましたが、これも表だっては言っていなかったですが、
血液検査をすれば血液に異常が見つかりそこから
何の病気だかというのが分かるので無駄な検査はしないみたいです。
ということはやはり検査自体にも身体に負担になっていることが
あると思うので、早期発見の為に検査をするのも良いですが、
これも自分の身体に耳を傾けて受けるべきだと思いました。

薬をどうしても飲まなければいけない病気にかかったとしても
その薬を飲む前にまずその薬がどんな作用をして、
副作用は何があるのかと調べたりして薬を知るべきだと思いました。
そしてなるべく薬に頼らないで済むような身体にするように心掛けると
いうことがいかに大切かということが分かりました。

細かい医学的な事は素人には分からないですが、
薬に頼らないということは
やはり基本の運動と食事が大事だと痛感しました。
ここでもふくらはぎが大切だということが書かれていたので、
以前読んだふくらはぎを揉むことも忘れないようにしたいです。


HPのYuimiko's MemoriesのGalleryにも本の紹介をしているので、
そちらも良かったら見てみて下さい。
http://happy1996.web.fc2.com/

伊吹有喜 四十九日のレシピ [作者あ行]


四十九日のレシピ (ポプラ文庫)

四十九日のレシピ (ポプラ文庫)

  • 作者: 伊吹 有喜
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2011/11/02
  • メディア: 文庫


ストーリーは妻の乙美を亡くし気力を失ってしまった良平のもとへ、
娘の百合子もまた傷心を抱え出戻ってきた。
そこにやってきたのは、真っ黒に日焼けした金髪の女の子・井本。
乙美の教え子だったという彼女は、乙美が作っていた、
ある「レシピ」の存在を伝えにきたのだった。

本のタイトルでも目をひきましたが、
ドラマ化などで話題になり12万部突破のベストセラー作品で
映画化もされているので気になり手に取りました。

夫の良平が二度も妻に先立たれてしまい途方に暮れているのが
ひしひしと伝わります。
四十九日というと普通は法要をしますが、
妻の希望だった飲んで食べての大宴会をしていくというが
亡くなった妻の乙美さん。
でも乙美さんのこのアイデアだったからこそ、
悲しさも寂しさも紛らわせることができ、
良い人間関係が成り立っていたのだと思いました。

立場は少し違いますが傷心した百合子の気持ちが痛いほど分かります。
女性で結婚してから子供を産まないと夫や周囲の人達から
何かしら言われてとても肩身の狭い思いをします。
子供が産まれるようにと治療をしても心身ともに大変なのに
百合子の周囲の人達はそれを分かろうとせずに、
同じ女性だというのに価値がないような良い方をしたりして
酷い人達だなと思いました。
百合子と同じように人としての価値は何も変わらないと思います。
こうゆう差別をするのは、意外と異性ではなくて同性だったりするので
同性なのにどうしてもっと労わりの言葉をかけてあげないのだろと
少し怒りながら読んでしまいました。
それに加えて夫のある出来事が重なり、
更に傷心に煽りを受ける事になりこんな状態では本当に辛いと思います。

そんな時に乙美さんの教え子だった井本が現れることによって、
百合子も良平も徐々に傷心から解き明かされていくので
これはきっと乙美さんの贈り物かもしれないとも思えました。
百合子にも良平にもない井本の突拍子もない雰囲気が
この場をがらりと変えさせたのが良いです。

乙美さんのいくつかのレシピの中で、
食べ物を買う時の賢いやり方というのが参考になります。
「パトカー、プラス信号でOK」
詳細は本文で読んでみて下さい。

乙美さんは百合子にとっては本当のお母さんではなかったので
初めて会った時やしばらくしてからもあまり親しくはなれなかった
というのは同じような経験をされた人なら気持ちがよく分かると思います。
でも四十九日の大宴会に備えて、乙美さんの軌跡を年表にしていきますが、
初めは空白が多かったのに、乙美さんに関わる人達が亡くなった事を聞きつけると
徐々にその空白が埋まっていくのには乙美さんの本当の人柄、
優しさが表しているのだなと思いました。
そして百合子もいつの間にか・・・
人が亡くなってもこのように偲んでくれる人達が沢山いるということは
どれだけ生きている時に人のために役立っているということの証拠だと思います。
「親が子を支えるように、みんな、誰かの踏み板になって
 次の世代を前に飛ばしていく」
という言葉がとても印象的でした。

乙美さんの大宴会を通して、さまざまな人達が良い方向に向かったり、
良平も百合子も心の傷が癒えて、読んでいる方まで心が癒える感覚でした。
一時は二人ともどうなってしまうのかと思いましたが、
新しい道を切り開いて清々しいラストだったので満足しました。

親子の絆、家族の絆など考えることもありますが、
なぜか読み終わった後には心が自然と温まる作品でした。
ストーリーのテンポも良く読みやすいのでお勧めだと思います。


映画 四十九日のレシピのHPはこちらです。
 http://49.gaga.ne.jp/require.html


HPのYuimiko's MemoriesのGalleryにも本の紹介をしているので、
そちらも良かったら見てみて下さい。
http://happy1996.web.fc2.com/
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