So-net無料ブログ作成
検索選択
作者た行 ブログトップ

土井善晴 一汁三菜という提案 [作者た行]


一汁一菜でよいという提案

一汁一菜でよいという提案



内容
食事はすべてのはじまり。
大切なことは、一日一日、自分自身の心の置き場、
心地よい場所に帰ってくる暮らしのリズムをつくること。
その柱となるのが、一汁一菜という食事のスタイル
合理的な米の扱いと炊き方、具だくさんの味噌汁。

目次
一章「今、なぜ一汁一菜か」
二章「暮らしの寸法」
三章「毎日の食事の意味」
四章「作る人と食べる人の関係」
五章「おいしさの原点」
六章「和食を初期化する」
七章「一汁一菜からはじまる楽しみ」 〈一汁一菜の実践〉
・米の合理的な扱いと炊き方
・具だくさんの味噌汁
 (手早くつくる一人分の味噌汁/すぐにできる味噌汁/季節や場に合わせた味噌汁 他)
・一汁一菜の応用(献立の考え方)


生きていくためには毎日食べていかなければなりません。
その料理を作るにしても毎日のことなので飽きのこないように、
体調や健康面を考慮してレパートリーを増やさなければ
いけないかと思っていました。
けれどこの本を読んでからはこれまで食に関する思いとは
また異なった思いになり、
料理に対する考え方も変わり少し肩の荷が下りる思いがしました。

一汁三菜だから簡単で手抜きが出来るという観念ではなく、
一つ一つを大切にして一食の食事を大事にするという思いが生まれた気がします。

とかく今は飽食な時代で食べることに関しては不自由しない時代です。
けれど本当に食べるということは安易に食べるということではなく、
日本人らしい精神にのっとった食事や食事スタイルなどが
大事だということが分かりました。

一汁一菜を通して和食の良さ、日本古来の精神など
今まで知らなかった食に関してのあらるゆることが
知れてとても勉強になりました。
特に作る人と食べる人との関係では
こんな関係があるのだと納得させられ、
家庭料理がいかに大事かというのが分かります。

食を通しての生き方や物の考え方なども学ぶこともでき、
食というのはこれほどまでも生活に影響を及ぼしているのかと思わされ、
改めて食事の大切さも知ることができました。
料理を作るということに関しても新たな気持ちを持って、
一汁三菜を基本として毎日の食事を大切にしていこうと思いました。

日本食は本当に素晴らしいものなので世界にももっと広めていき、
日本でももっと伝統を重んじていきたいものです。

食育の本といっても過言ではないので、
お子様のいる家庭やこれからご家族の持つ方には
是非読んでもらいたいお勧めな一冊だと思います。

ちゃくま 簡単に暮せ [作者た行]


簡単に暮らせ

簡単に暮らせ



内容は水切りカゴはやっぱり必要!
「安物買い」は楽しい。アプリに頼らない生きるスキルを。
自分なりのミニマムなシンプル暮らし、
実践中!月間50万PVの人気ブログ待望の書籍化。

第1章 思考をシンプルに
第2章 家事をシンプルに
第3章 時間をシンプルに
第4章 人間関係をシンプルに
第5章 「減らす」をシンプルに
第6章 「着る」をシンプルに
第7章 掃除洗濯をシンプルに
第8章 持たない暮らしをしてみたら

シンプル暮らしという言葉に魅かれて
ブログを少し読んでみて興味があったので手に取りました。

ブログなどでも家事を中心にした記事だったので
こちらも同じようなものかと思いましたが、
多少はその要素もありますが、
その人の心の持ち方、やる気の問題だというところに心を動かされました。

人が行動を起こすのは、
自分にメリットがある場合です。
どんなに正論を言われても、
面白くなさそうなことや、
これまでの自分を否定されたのでは「やる気」が出ません。(中略)
重要なのは「やる気」を起して実際に行動を起こす気持ちになれるか、

この部分は特に共感しました。

そして多くの「困った」場合ことを解決するには、
過剰になっている何かを見直すことで改善をしたり、

誰しも持つ不安に対しての解消策として
漠然とした不安を捨てるということ。
あまり先のことを考えすぎても仕方ないということ。

これが物を持たない暮らしが将来の漠然とした不安をなくすことにも
大いに効果があるという考え方には納得させられてしまいました。

ミニマリストを目指しているわけではないので
ここまですっきりとした生活を送るのは難しいですが、
良い所は取り入れて自分らしくすっきりとした生活しやすい状態を
探してみたいと思いました。

重要な事が黄色いラインで引いてあるので、
興味のあるタイトルからそれだけ読むのも良いかと思います。
また複数の章と項目で分かれているので、
必要な箇所だけ読み進めて積読をし、
必要になったらまた開いて読んでみるという読み方
生活をすっきりできれば良いかと思います。

瀧本古都 孤独の果てで犬が教えてくれた大切なこと [作者た行]




いきなり10万部を突破した瀧森古都のデビュー
『悲しみの底で猫が教えてくれた大切なこと』の続編。

ストーリーは犬にまつわる感動体験を通じて、
登場人物が「生きるとは?」「家族とは?」など 人生を深く哲学し、
成長していく涙なしには読めない感動小説
 第1話 空を知らない犬 
 第2話 三本足のヒーロー 
 第3話 ぼくのK-9 

それぞれの章の中で犬が登場し、犬を通して様々な人間が関わり、
そこからまた一つ一つが感動する物語になっていき
感動が感動を呼び起こし連鎖して大きな感動を導いていて
心が温かくなりました。
物語の連動と交錯の仕方が上手くなっているので、
テンポも早くとても読みやすいので一気に読めました。
作られたものなのでこんな事は無いだろうと思いながらも、
一つくらいは実際にも起こりそうな出来事もありリアル感が味わえました。

それぞれのストーリーの中では素敵な言葉がありました。
第一話 
 孤独な生活の中で、ペットのことまで気を回すのは大変なことだと思います。  
 でも大事にする方法を『見つけてやれることができなかった』のではなく、
 あなたは、たぶん・・・・・探さなかったのかもしれない。

第二話 
 最悪なきっかけは、本当に最悪だけれど、それがゴールじゃないんだ。  
 今、自分がどう考え、どう行動するかによって、最悪は最高に変えられる。
  暗闇の土に埋もれていた心を、取り戻すこともできる。
 勇気を身につけ、かけがえのない存在を救い出すこともできる。
 たとえ最悪からのスタートだとしても、きっかけを恨むのではなく、
 きっかけによって得たことに感謝することで、
 未来はいくらでも変えられるんだ。

第三話
 僕たちは孤独の果てを歩くこともある。
 けれど、そこは僕たちの「居場所」じゃない。
 そこから抜け出すことで、本当の居場所を見つけることができる。
 孤独の果てをさまよう人間に、犬たちは大切なことを教えてくれた。
 前を向くことで、共に笑い、
 共に涙を流してくれる仲間を
 見つけることができるんだ・・・・・と。

これらはこの本の中だけではなく、自分の人生や自分の立場などに
置き換えてみるととても見方が変わっていき、
生きていく上で大切なことだと思えたので
心に留めておきたいと思いました。

前作の『悲しみの底で猫が教えてくれた大切なこと』では
主人公が成人になった物語も書かれているようなので、
この本に出会えたことも良かったので読みたいと思っています。

当たり前のことかもしれないですが、
やはり人だけなく動物を通して新たな人間関係や動物ならではの触れ合いがあり、
その中から素敵な出来事があり人生も豊かにしてくれるので動物もまた良いなと思いました。
なによりも癒されるというのが一番かもしれないです。

この本を通して人々の心の温かさとどんな時にも希望の光はあるということを
教えてくれた一冊でした。

天童荒太 ムーンナイトダイバー [作者た行]


ムーンナイト・ダイバー

ムーンナイト・ダイバー

  • 作者: 天童 荒太
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/01/23
  • メディア: 単行本


ストーリーはだからこそ潜るのだ。
誰も潜らないから、誰かが潜らなければいけないのだと信じる。
3・11から五年目となるフクシマ
非合法のダイバーは人と町をさらった立入禁止の海に潜降する。
慟哭の夜から圧倒的救済の光さす海へ。
鎮魂と生への祈りをこめた著者の新たな代表作誕生。

3.11後のフクシマを舞台に被災した方への鎮魂の思いを込められ、
実際にも天童さんがダイバーの資格を取って書かれたというので
興味がありこの本を手に取りました。
メディアを通して被災した地域の状況などは目にしてきましたが、
活字となってこのような状況を知るというのは目で見る時よりも
また印象が違い風景も被災した人達の心の中などあらゆるものが
暗く今までとは到底想像の出来ないものへと変化しているのが伝わります。
とかく被災をしてから復興へと叫ばれていましたが、
物が徐々に動くようになり、風景も少しづつ前のようにと移ろっていきます。
被災した人達の心も一見すると前を向いて歩いるようにも思えましたが、
実は心の奥底ではあの日のままで忘れることの出来なくて
辛くてどうしようもない心情でいるということが切々と伝わり涙に誘われます。

舟作の秘密の仕事である立ち入り禁止地域での引き上げ作業は
メディアでも見たことがありますが、
想像以上に危険な仕事であるけれど、
何もかも一瞬で奪われてしまった物を少しでも良いから
あの日の前に戻して欲しいという思いや
何か形ある物を欲しいという思いもあるので、
自分の危険を晒してでも作業に打ち込んでしまうのかと思いました。
海中の風景の描写はダイバーの資格を取っただけあって、
暗黒の世界が不気味でいて、時には不思議な魔力を満ちたりして
独特な雰囲気が漂っているのが目の前で映っているかのようでした。

依頼会社からのルートではなく直接コンタクトを取ってきた透子は
行方不明者である夫の指輪を探さないで欲しいという要望には
初めは理解できなかったですが、ストーリーが進んでいくうちに
彼女の内心が分かってきてこうゆう愛情もあるのだと思えました。
ここまでの愛情に繋がるにはこのような特別な事態
だったからこそだとも思いました。

天童さんの作品は以前『悼む人』を読んで理解するのが
やや難しいなと思っていましたが、
この作品はテーマがははっきりとしているの分かりやすかったです。
けれど鎮魂の祈りを込めて書かれたと思うのですが、
途中で透子との接触の仕方や奥さんとの情事などは
少しこの風景とは似つかわしくないようにも思えました。
でもこれを書き入れることで殺風景だった景色に色が入ったように、
これまでの舟作とは思えない生きるということへの欲求を際立たせるためにも
これが必要なのかと考えることが出来ました。

この本を通してまた改めて被災した人達へ今後どうしていったら
良いのかと考えを突きつけられたように思いました。
一体真の復興とはなんなのか?
そしてこの作品を通して3.11を風化させることが無いように
祈りを込めたいと思います。

辻村深月 ツナグ [作者た行]


ツナグ (新潮文庫)

ツナグ (新潮文庫)



ストーリーは一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。
アイドルの心得
長男の心得
親友の心得
待ち人の心得
使者の心得
の5章からなり心に染み渡る連作長編小説

使者がそれぞれの章で一生に一度だけ再会を叶えていきますが、
その一つ一つの章だけでも十分に思わず涙が出そうになってしまいました。
自分が同じような境遇になったことのある
長男の心得ではやはり長男と同じような思いがしました。
同じ兄弟なのに長男というだけで弟とは扱い方が違うのは
何故だろうかと子供の頃は誰もが思ったことだと思います。
この長男の場合は特に違っていましたが、
それにはきちんとした理由がありそれを聞いた長男が
納得してこれからを精一杯生きていこうとするところが良かったです。

親友の心得は親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生との
事が書かれていましが、こんな親友関係はちょっと怖いなと思うと同時に
こんな形では親友とは言えないと思いました。
けれど使者が再会させてくれたことで、
本当の親友になれて心の痛みも取れて良かったと思います。

待ち人の心得は意外な展開だったのでこの中では
印象深かったです。
失踪した婚約者を待ち続ける会社員の事が書かれていますが、
まだ何処かにいると信じている一途な心。
婚約者だった女性の言葉、行動があまりにも突拍子もないので、
それが面白くもあり、健気だったと思います。
使者に会わせてもらってからも、謝ってばかり。
この女性は本当に純粋な心の持ち主だったのかと分かります。

使者も実は悲しい過去を抱えた人ですが、
この使者になったのも運命というか宿命です。
その宿命がまた切なかったです。

この作品を読むと自分ならば、
誰と会いたいかとすぐに考えてしまいました。
自分が生きている場合会うとするならば、今だったらやはり両親。
自分が死者だった場合会うとすると・・・
それはまだ考えられませんでした。

この作品は生死の事について描かれているのに、
普通ならばもっと重くて難しくなると思うのですが、
そうではなくまるでおとぎ話のように描かれているせいか、
何故か難しくなくすんなりと受け入れて考えることが出来たのかと思います。

生きている人は失われた人の分まで自分を生かしていかなければ
いけないということを改めて思い知らされた気がします。

心の隅々まで染み渡り、心も温かくなれる感動小説だと思うのでお勧めです。


HPのYuimiko's MemoriesのGalleryにも本の紹介をしているので、
そちらも良かったら見てみて下さい。
http://happy1996.web.fc2.com/
nice!(0)  コメント(0) 

田中慎弥 共喰い [作者た行]


共喰い

共喰い



ストーリーは17歳の遠馬(とおま)は、怪しげな仕事をしている父とその愛人と暮らしていた。
遠馬の母も近くに住んでいる。
日常的に父の乱暴な性交場面を目の当たりにして、
自分にも父の血が流れていることを感じていた。台風が近づき、
町が水にのまれる中、父が遠馬の彼女のもとに忍びより…。
川辺の町で起こる、逃げ場のない血と性の濃密な物語。
同時収録「第三紀層の魚」

芥川賞受賞をした時の会見がすっかり巷で話題になった人だったので、
どんな人でどんな作品なのだろうかと思い手に取りました。

タイトルになっている『共喰い』はこれというメッセージ性は伝わりませんでしたが、
細かいな情景描写、心理描写が目の前にあるかのように描かれていました。
こうゆう細かな描写力を求めるのが芥川賞にはきっと評価を
されるのかなとも思いました。
父と乱暴な行為や存在自体を遠馬はとっては疎ましいと思っていたにもかかわらず、
血筋というものは知らないうちに遺伝子に組み込まれているもので
遠馬も知らず知らずに同じ事をしているという、
まさに同じ穴のむじなです。
そして父と女性の複雑な関係は普通では考えられにくく、
それを見ている遠馬も複雑な気持ちで揺れ動いていました。
ラストが意外な展開だったので驚きました。
このラストも違う意味での共喰いだったのかと思いました。
舞台が片田舎の狭い範囲だけにとどめられているので、
ストーリーの展開は早くはないですが濃厚になっています。
時代がなんとなく現代ではなくて一昔前の昭和の時代を思わせる感じがしました。

もう一つの作品の『第三紀層の魚』は前作品に比べると感情移入しやすかったです。
寝たきりの曽祖父と祖母と小学生の少年などを通して、
まだ大人の世界や知らない事だらけの少年から見た視点で描かれていたので、
揺れ動く少年の心がとてもよく分かりました。
曽祖父は身体がどんどんと衰えていくばかりなのに、
少年は反対にどんどんと成長していきます。
けれどまだ心はそれに追いついていかなくて、
自分を取り巻く状態を上手くコントロール出来なくて情けなくなったりして、
子供らしい一面がよく表れています。
後半は少し悲しい事になっていますが、
ラストは今までの事が何もなかったかのようにそれぞれ新しい出発を
予期している感じが少し清清しかったです。
この少年のその後を見てみたい気持ちになりました。

田中さんは山口県出身で今も住んでいるようなので、
二つの作品の舞台が山口県になっているので会話は全部山口弁でした。
山口弁での作品もあまり読んだことがないので
とても味わい深いかと思います。

本には必ずメッセージ性があるものだと思っていましたが、
前回の芥川賞受賞作品もそれ程強いメッせージ性はなかったので、
そうゆう作品の描き方もあるのだと改めて思いました。
日頃からメッセージ性を求めているものばかりの作品を読んでいると
それを求めてしまうのかもしれないです。
たまにはこうゆう作品も良いなと思いました。

田中さんは他にも様々な作品で受賞されているので、
他の作品も機会があったら読んでみたいと思います。
本を読み終わると会見の時の田中さんのイメージががらりと変わりました。


HPのYuimiko's MemoriesのGalleryにも本の紹介をしているので、
そちらも良かったら見てみて下さい。
http://happy1996.web.fc2.com/

辻仁成 サヨナライツカ [作者た行]


サヨナライツカ (幻冬舎文庫)

サヨナライツカ (幻冬舎文庫)



ストーリーは「人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと愛したことを
思い出すヒトとにわかれる。私はきっと愛したことを思い出す」。
好青年とよばれる豊は結婚を控えるなか、謎の美女・沓子と出会う。
そこから始まる激しくくるおしい性愛の日々。
二人は別れを選択するが二十五年後の再会で…。
愛に生きる全ての人に捧げる渾身の恋愛小説

映画のCMを観て気になり、この本を読んだ方のブログを読んで
更に読みたくなりこの本を手に取りました。
辻さんの作品は『冷静と情熱のあいだ』を読んで以来です。

本章に入る前に
サヨナライツカという二つの文章があります。
いつも人はサヨナラを用意して生きなければならない
孤独はもっと裏切ることのなり友人の一人だと思うほうがよい・・・・(以下省略)

永遠の幸福なんてないように
永遠の不幸もない
いつかサヨナラがやってきて、いつかコンニチワがやってくる・・・(以下省略)

この文の意味はいったいなんだろう?と思いながら本章に入っていきます。

ビジネスマンの豊には女性には二通りのタイプがあると。
街角で男たちを確実に振り返させるタイプの女とそうでないタイプの女。
確実に振り返させる女が沓子。
だからといって人生において最終的に意味を成すのは、
どちらなのかと・・・
もしかして男性というのはこうやって自然に女性を
見分けているのかなとも思ったりしました。

沓子には嫌な過去があったけれど、豊をひと目見てからほんの少しの
遊び心から二人は本心で愛していたのだと思います。
けれど女性の視点から見ると、婚約者がいるのにこんな事を
影でこそこそとしている豊はずるい男にも見えます。
婚約者がいなければ沓子だけに十分に愛情を注いでも良いと思いますが、
婚約者もいながら、それも仕事先の創業者からの紹介からだから
将来も有望視されていて仕事も私生活も両方とも美味しいところだけ
切り取っている生活をしているかのように見えたので。
男性としては理想なのかもしれないです。

けれど沓子は豊に婚約者がいることも知りながら
このような日々を送っていたので、沓子が「ずるい、君は本当にずるい」
という言葉は少し可哀想な気がしました。
無邪気で予測のつかない冒険的な生き方の沓子は、
豊のような生真面目な人には人生を棒に振り回されたくなかっ
たのかもしれないけれど・・・
と第一部ではタイでの沓子と豊の一生忘れられない出来事の
日々が綴られています。

第二部では二十五年後に再会した二人の事が書かれています。
光とは順調に過ごし仕事も順調に進み出世街道まっしぐらで
何の不自由の無い生活を送る日々。
そんな折、またタイに行くことになり偶然にも沓子と再会。

沓子と再会してからの豊はデジャブーのように沓子の事を気にしますが、
沓子は一見は何もなかったかのように装っていましたが
やはりいつも豊の事を思っていたのだと。

人生は二度と生きることができないというのが、
後半ではとても切なく書かれていました。
沓子の送られてくる手紙にはいつも切々と想いが書かれていて、
そして思いもしない結末に感涙しそうになりました。
自由奔放は若気の至りでもあると思えます。
それより豊への想いの方があまりにも強いですが、
それが二十五年経過したことによって謙虚に振舞われていて・・・

豊が以前質問した「死ぬ間際、君は愛したことを思い出す?
それとも愛されたことを思い出す?」
その回答が書かれていて思わず納得してしまいました。
これを自分に置き換えたらならどうなるかと・・・
多分愛したことを思い出しそうな気がします。
愛されたことは勿論嬉しいし誇りにも思いますが、
愛したことというのは自分の気持ちの方がより強い感じがするので。

男女の揺れ動く愛の形が目の前で繰り広げられているように
書かれていて、とても切ない作品でした。
男性と女性では意見が変わる作品だと思います。

『サヨナライツカ』は同名の作品として映画化されています。
沓子役を12年ぶりの女優業に復帰の中山美穂さん、
ビジネスマンの豊役を西島秀俊さん、
婚約者の光子役を石田ゆり子さんが演じています。
サヨナライツカの公式サイトはこちらです。
 http://sayo-itsu.com/
映画も機会があったら観てみたいと思います。


HPのYuimiko's MemoriesのGalleryにも本の紹介をしているので、
そしちらも良かったら見てみて下さい。
http://happy1996.web.fc2.com/

天童荒太 悼む人 [作者た行]

悼む人

悼む人

  • 作者: 天童 荒太
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/11/27
  • メディア: 単行本


ストーリーは亡くなった人達を悼む旅を続ける青年。
彼を巡り、夫を殺した女性、 人間不信の雑誌記者、
彼の家族などの生と死の愛の物語。

天童さんの作品を読むのは初めてです。
天童さんの代表作といえば「永遠の仔」、「包帯クラブ」、「孤独の歌声」など。
この「悼む人」は2009年1月に第140回直木賞を受賞されたもの。

この作品のレビューを書くにあたってどう表現していいか難しかったです。
今までに無かったタイプの内容だったし、
読解力と表現力が乏しいので・・・
青年が亡くなった人達を悼む旅を続ける訳ですが、
自分に何の関も無い人達でも悼む心境が私には初めては全然分かりませんでした。
けれど、何かにとり憑かれるように悼むのには、
青年が何度か経験した死に対してでした。

全ての死を把握することは出来ないけれど、
一人一人がこの世界で生きていたということをできるだけ覚えておきたいと。

確かに青年の言うことは納得できますが、
知られて欲しい死、知られて欲しくない死などがあるのではないかと思いました。
作品中でも悼まして欲しいと言うと、怪しい宗教団体だと間違えられたりしていました。

夫を殺した女性と途中で旅を共にしますが、
やはり彼女も青年がしていることには理解ができなかったです。
けれど、彼と旅をする事で自分の過去も清算でき、
新しいスタートと慈しむという心が芽生え、とても良い心になっていったと思います。
それも理解が出来なかった彼の行動がそうさせたのかと思います。

ただ青年の家族である母は重い病で一日一日が大切な日だったので、
いつになったら青年は母に会えるのかとそればかり気になってしまいました。
この母の生き方も素晴らしいと思いました。

これから生まれる命と、絶えていく命。
それも平行に進んでいるのでとてもハラハラしました。

人が亡くなるということは悲しくだけでなく、
経験した人だけが分かる寂しさ、虚しさなど言葉には表せないものです。
けれど青年が悼む旅をする事で、何だか心が少し救われた気がしました。

天童さん自身もこの作品を描くことにあたって、
七年の歳月を費やしたものだそうです。
それだけの力作なので、読み応えはあります。

聖者なのか?偽善者なのか?「悼む人」は誰ですか?
私としては前者だと思えました。
あなたはどちらに思えますか?


HPのYuimiko's MemoriesのGalleryにも本の紹介をしているので、
そしちらも良かったら見てみて下さい。
http://happy1996.web.fc2.com/

武田邦彦 偽善エコロジー [作者た行]





とにかくこの本を読んでリサイクルの考え方を
根底からひっくり返された衝撃で一杯でした。
今まで地球の為、エコの為にとしてきたことが
いかに無駄だったということが明らかに分かります。

まず温暖化によって海面上昇が叫ばれていますが、
これも間違いといことに驚きでした。
TVの報道でよくツバルという南太平洋の島が
水浸しになっているのを見かけます。
ところがこれは地盤沈下の可能性が高いということ。
そして北極の氷は殆ど海に浮いています。
海に浮いている氷はアルキメデスの原理によって、
解けても凍っても海面には変わらないということにまた驚きました。
マスメディアは国民に何か警告をする為にこうゆうこともするそうです。

エコに運動に良いと言われている物がいくつも紹介されています。
代表的なものを例であげてみると、
レジ袋を使わない、割り箸を使わずマイ箸を持つ、
冷房28℃の設定で温暖化防止、牛乳パック、古紙、空き瓶、
食品トレイなどのリサイクルについて。

けれどこれからのそれぞれが実はエコではなかったのです。
レジ袋では石油の消費を減らすことができると思われがちですが、
レジ袋は石油の不必要な成分を活用したものなのです。
レジ袋を追放することによってエコバッグの量、専用ゴミ袋が増えます。
その結果、余計に石油をを使うようになり、
スーパーはかなりの売り上げ増加になったそうです。

牛乳パックだけに関わらず紙製品も手間をかけて分別しても、
リサイクルされる量はわずかで、リサイクルするのに時間が
かなりかかるそうです。

ぺットボトルリサイクルではもっと最悪なことに
リサイクルして利用されているのは多めに見て5本に1本、
少なめに見て10本に1本で、他のプラスチック容器では
もっとリサイクルをされていないそうです。
家電製品などはリサイクルと言いつつ、
途上国に売りつけていることも多々あるようです。

そして京都議定書のことが書かれていましたが、
日本だけが温暖化ガスの削減を掲げていますが、
国際社会ではどうやら理解されていないようです。
その訳には森林の利用が国土面積の3分の2なのに、
紙、木材にも使わずに石油を使ッてリサイクルをして森林を守る
というのが理解できないそうです。
そして自然を大事にする国は自国の農業も大切にしています。

最終的にはやっぱり企業のお金儲け、環境省の省益にまみれていること
騙されいるということががっかりです。

著者も語っていますが、リサイクルより、
物を大切に使う心を持って欲しいと。
物を大切に使わないから使い捨てにしてしまいがちです。
これには私も心が痛いので物を大切にする心を失わないようにしたいです。
そして間違えた報道などに惑わされず環境を考えて
生活を送りたいと思いました。

他の事もきちんとしたデータに基づいて分かりやすく書かれているので、
是非この本を多くの方に読んでもらい、
正しい環境問題を理解してもらいたいと思いました。


HPのYuimiko's MemoriesのGalleryにも本の紹介をしているので、
そしちらも良かったら見てみて下さい。
http://happy1996.web.fc2.com/
作者た行 ブログトップ
メッセージを送る