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益田ミリ 泣き虫チエ子さん 旅情編 [作者ま行]


泣き虫チエ子さん 旅情編 (集英社文庫 ま 22-4)

泣き虫チエ子さん 旅情編 (集英社文庫 ま 22-4)

  • 作者: 益田 ミリ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/08/22
  • メディア: 文庫


ストーリーは秘書のチエ子さんと靴修理屋のサクちゃん。
仲良し夫婦は日々の暮らしや旅先で、
支えあったりぶつかったりしながら生きています。
ささやかな日常の大切さに気付かせてくれるほんわかコミック。

泣き虫チエ子さん愛情編を読んで良かったので続いて読みました。
今回もチエ子さんの心配性とサクちゃんへ対する想いが
あちこちで見られて愛情一杯でした。

今回は旅情編で浅草で食べ歩き、箱根で温泉、
山形で一人旅と日常生活では見られない一面が垣間見れました。
こんな風に素敵な景色に出会い、
美味しい物を食べ、大切な人との時間を作れるというのは
本当に幸せで贅沢な時間で宝物だと思いました。

「大人になるということ」、「肩もみの数え方」、
「わたしたちの一生」はちょっと切なくて
この作品をきっかけに普段の生活にも思い返してしまいそうです。

心配症なチエ子さんだけれど、
それに対して大らかなサクちゃんは本当にお似合いです。
この夫婦のように何気ない日常を大切にして
お互いを思い合えて支えていけたら素敵な夫婦だなと思います。

夫婦二人の生活もこんなに素敵だなと思える作品で、
今回もほっこりと心温まりました。
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益田ミリ 今日の人生 [作者ま行]




ストーリーはむなしい日も、幸せな日も、おいしいものを食べた日も、
永遠の別れが訪れた日も……。
益田ミリさんの人生がつまり、初めて「死」について書いた著者の転換点となる最高傑作・コミックエッセイ。
「みんなのミシマガジン」の人気連載「今日の人生」4年分が一冊に。

益田さんの作品は好きなので何冊も読んでいますが、
今回は全体的に少し切ない雰囲気が多かったように思えます。
けれど何気ない日常の中で過ごしていることを
細やかな視点で捉え、
それをただ見たままに思うのではなく、
様々な考え方で表現をしていて共感できることが沢山ありました。

毎日繰り返される平凡な日々からこそ、
小さな幸せが生まれたり、
それが後に自分の積み重ねた人生となっていき
なかなかどれも考え深いものでした。

印象に残ったもので
電車の中で盲導犬が足したで小さく伏せているのを見ていると、
これどのまでに誰かの役に立ったことはあるのだろうかと思った今日の人生。
じわじわと言葉の意味が伝わり背筋を伸ばさせられるような気持ちになりました。

コミックの間にあるエッセイもかなりシリアスで切実なことが
書いてあったので ドキッとしてしまいました。

購入した本の間に挟んであった冊子も良かったです。
今はこのような手書きでのものはなかなか見れないので、
何だか懐かしくて可愛らしくて気に入ってしまいました。

本の表紙もカラフルですが、
中のページを開くとカラフルなので色によって気分も変わり
楽しく読めてユニークだと思いました。

人生とはかけがえのない一瞬の積み重ねということを
改めて大切にしなければいけないと思わせる作品です。
日常の小さなことを大事にしならが、
またのんびりとした時間を味わいたい時に再読したいと思います。
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森沢明夫 大事なことほど小声でささやく [作者ま行]


大事なことほど小声でささやく (幻冬舎文庫)

大事なことほど小声でささやく (幻冬舎文庫)

  • 作者: 森沢 明夫
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2015/08/05
  • メディア: 文庫


ストーリーは身長2メートル超のマッチョなオカマ・ゴンママ。
昼はジムで体を鍛え、夜はジム仲間が通うスナックを営む。
名物は悩みに合わせた特別なカクテル。
励ましの言葉を添えることも忘れない。
いつもは明るいゴンママだが、突如独りで生きる不安に襲われる。
その時、ゴンママを救ったのは、過去に人を励ました際の自分の言葉だった。
笑って泣ける人情小説。

オカマで超マッチョなゴンママのキャラクターのインパクトが強くて
面白くこれに引きずり込まれて一気に読んでしまいました。
ジムにいるゴンママも良いけれど、
夜のスナックでのゴンママの方がここに集まる人達との
和気あいあいとした雰囲気が良く、
本領発揮が出来ているような気がして、
ここでの励ましの言葉にはどれも共感出来ました。

こんな誰にでもパワーを与えてしまうゴンママですが、
一人になるとひとしきり孤独感を味わってしまうことがあるというのが意外でした。
そのギャップ感にもまた惹かれてしまう魅力もあって
とても人間味のあるキャラクターでこんな人に出会ってみたいです。
時々会話の中にある下ネタも少し笑えてしまうのもゴンママの良さかもしれないです。

毎回主人公が変わるオムニバス式で構成されていますが、
どの場面でもその人に合ったカクテルが登場します。
そのカクテルの名前にも特別な意味があり、
それもストーリーの中でも良い味を出していて興味をそそられます。

特に印象的な言葉は
 人生に大切なのはね、自分に何が起こったかじゃなくて、
 そのまま受け入れればいいの。
 どうせ過去は変えようがないんだから。
 でもね、考え方ひとつで、
 起こったことをチャンスに変えられることができるの。
 ピンチはチャンスよ。

 悲しいときはしゃべらなくていいのよ。
 泣けばいいの。
 寡黙っていう意味のソルティードッグを飲んで、おいおいでも、
 しくしくでも、泣けばいいのよ。
 沈黙が辛いなら、辛いって言えばいいじゃない。

 あなたが生きられるのは、いまこの瞬間だけなの。
 過去と未来を思い煩っても、それは無駄なだけ。
 やり直すことのできない過去を悲しんでいたら、
 せっかく生きている「いま」が不幸になっつちゃうだけでしょ?
 それにへ、まだ来てもいない未来を不安がっても仕方ないじゃない。
 大切な「いま」をつまらなくするだけだわ。
 辛い過去になんてとらわれないで、未来の不安もぜーんぶ忘れて、
 いまこの瞬間だけをしっかりと味わって生きなさい。
 それが、禅の「幸せに生きる極意」なのよ。

ラストも清々しく終わっていたので、
また次への希望へと繋がりました。
この続きも知りたくて読みたいので、
ゴンママシリーズでまた新しい作品が出たら良いなと思いました。

この本のタイトルを読んだだけでも興味を持ちましたが、
この言葉通りに作品中の素敵な言葉も小声で伝えたく、
この作品の良さも小声でじっくりと
誰かに教えたいくらいお勧めな作品でした。

何かに躓いてしまったり、
生きるのに疲れてしまったりと
人生は山あり谷ありなので
そんな折にまたこの作品を再読してみたいと思います。

森沢さんの作品を何冊か読み始めましたが、
どれを読んでもすんなりと心に入って
何事も前向きになり優しい心になるので
まだ読んでいない作品もどんどんと読み進めたいと思います。


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宮下奈都 神さまたちの遊ぶ庭 [作者ま行]


神さまたちの遊ぶ庭 (光文社文庫)

神さまたちの遊ぶ庭 (光文社文庫)

  • 作者: 宮下 奈都
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2017/07/11
  • メディア: 文庫


ストーリーは北海道のちょうど真ん中、
十勝・大雪山国立公園にあるトムラウシ。
スーパーまで三十七キロという場所へ引っ越した宮下家。
寒さや虫などに悩まされながら、壮大な大自然、
そこで生きる人々の逞しさと優しさに触れ、さまざまな経験をすることになる。
『スコーレNo.4』の宮下奈都が「山」での一年間を綴った感動エッセイを文庫化。
巻末に、「それから」を特別収録。

「羊と鋼の森』を読んでとても良かったので
その後少しずつ読み始めてこちらを手に取りました。
エッセイは初めてです。

自然の中で暮らすというのはよく聞きますが、
宮下家の暮した所は北海道の十勝で壮大な大自然の中なので
スケールが大きすぎて想像もつかなかったです。

今まで暮らしてきた場所とは全然違う環境の中で
どのようになっていくのかとこちらも山村留学をしている気分でした。
住めば都とはよくいったもので、
環境に不自由があっても無いものが当たり前となっていくのが
目に見えて分かっていくのが面白いくらいでした。
物がなくてもその分目の前にあるすぐ近くの自然が
全部代わりとなって素敵な物へとプレゼントされているように思いました。

大人になってこれだけの環境を変えるというのはなかなか出来ないので
とても貴重な経験だと思いますが、三人の子供さんにとっても
とてもプラスになった経験で滞在前よりも立派に成長されたなと思いました。
「教室に座って勉強するより、
 雪山で遊んで身につけることの方が大事じゃないかな」
という言葉に納得です。
宮下さんのそれぞれの子供さんの性格がよく表れていて、
弾むような会話やユニークな会話が微笑ましかったです。
また地域の人とのコミュニティや学校行事などが
一方向だけではなく、家庭と地域と学校といちがんとなって
行われいるのがとても素晴らしいなと思いました。

読み始めは子供さんのことばかり書かれていたので、
子育て日記のように思えていましたが、
それがいつの間にか無くなりすっかり最後には
三人の子供さんの応援をしたくなってしまいました。

家族の楽しい会話の合間に
宮下さんの社会に対するクールな言葉や人生への教訓になる言葉も
なかなか良かったです。
「チャンスの神様は前髪しかないというけれど、
 チャンスの神様がふさふさであることを思い出す。
 チャンスはまたきっとまた来る。」
この言葉も素敵です。

自然の中で生き生きとした姿はどれも良かったです。
やはり人間は自然と共に寄り添いながら暮らしていく方が、
心身ともに豊かになれるとつくづく思わされた作品でした。

トムラウシに住んだからこそ「羊と鋼の森」の作品が生まれて、
神さまからのプレゼントで直木賞受賞をしたのかなとも
思えたりしました。
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益田ミリ 沢村さん家のこんな毎日 平均年令60歳の家族と愛犬篇 [作者ま行]


沢村さん家のこんな毎日 平均年令60歳の家族と愛犬篇 (文春文庫)

沢村さん家のこんな毎日 平均年令60歳の家族と愛犬篇 (文春文庫)

  • 作者: 益田 ミリ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/07/06
  • メディア: 文庫


ストーリーは年をとってきた両親と40歳の娘との3人暮らしを
描いた沢村さん家のホーム・コミック。
『沢村さん家のこんな毎日』『沢村さん家はもう犬を飼わない』を
1冊にまとめたお得な文庫版。

仲良く温和な四朗さんと典江さんですが、
お母さんの典江さんが意外にもお父さんに対して突っ込みをしたり、
40代独身の娘に対してもきついひと言などがあったりして
それが良いバランスを取っていて面白いです。

ただ40歳過ぎた頃になった歳なりの
現実的な事が出て来るので共感できるところもありますが、
段々それが切ない思いにもなったりして少し複雑でした。

誰でも歳を重ねるとそれなりに焦りや悩みなどが出てきますが、
そうゆうのをコミックで読むと同じなんだなと思えて
少しほっと出来ます。

両親が早くに他界してしまったので、
高齢になった両親とテレビを観ながら団欒をしたり、
何気ない日常的な会話をするのも良いなと思い
羨ましく思いました。

会社のトイレのことはまさに「あなどれない」なくて
思わず納得してくすりとしてしまいました。
確かにこうゆうことはあったなと思い返してみたりして。
人は見かけだけでなく、見えない所も大事だなと思わされます。

特別なことが無くても日々を普通に平凡に過ごせることが
一番幸せなことなんだとつくづく思わされる作品です。
毎日同じことの繰り返しが虚しい日もあれば、
幸せだと感じる日もある。
当たり前のことですが、なんだか深みのある言葉なとも思いました。

益田さんの作品は何冊も読んでいますが、
沢村さん家のコミック本は初めてで
他のコミックとは違ってしみじみとして、
どこかほろりとさせられる作品でした。


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湊かなえ 豆の上で眠る [作者ま行]


豆の上で眠る (新潮文庫)

豆の上で眠る (新潮文庫)

  • 作者: 湊 かなえ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/06/28
  • メディア: 文庫


ストーリーは 小学校一年生の時、結衣子の二歳上の姉・万佑子が失踪した。
スーパーに残された帽子、不審な白い車の目撃証言、そして変質者の噂。
必死に捜す結衣子たちの前に、二年後、姉を名乗る見知らぬ少女が帰ってきた。
喜ぶ家族の中で、しかし自分だけが、大学生になった今も微かな違和感を抱き続けている。
―お姉ちゃん、あなたは本物なの?
辿り着いた真実に足元から頽れる衝撃の姉妹ミステリー。


妹は元々姉に対して劣等感を持っていて、
姉が失踪している期間はそれが無くなるかと思えば、
かえって姉に対しての思いが強くなり
苦しい関係はいつになっても拭いきれなくて読んでいくうちの
妹の結衣子が可愛そうに思えてきました。

姉妹というのは仲が良いと人が羨ましがるほどなのに、
この姉妹のように仲が悪い場合だと
こんな風なケースになるのかなと思ってしまいました。
異性の兄弟の微妙な心境というもの垣間見れた気がします。

姉が時には妹だけでなく祖母の目から見ても
今までの姉とは明かに違うという思いがしたのは
何かあるのかと思い、真相が徐々に暴かれるまでは
ワクワクして読んでいました。
けれど真相に辿り着くまでにはかなり長かったのでもどかしかったです。

それにしてもこの母親の育て方は同じ姉妹なのに
扱い方に差がありすぎたり、
周囲の対して気にし過ぎたり、言わゆる世間体というのを気にしすぎで
こんな母親の下にいるのは心が歪んでしまいそうです。
そんな思いも妹に影響があるように思えていたたまれなかったです。
そんな時にふと寄り添うように祖母さんがいてくれたのが
少し救いだったようにも感じられました。

真相を明かすことになってからは
特に劇的なラストということではなかったですが、
結局はある人の親のエゴでこんな苦しい思いをさせられ、
人生を翻弄させられてしまったのかと思うと
妹だけでなく子供たちにとっていい迷惑だったと思ってしまいます。

「本ものってなんですか?」
という疑問がありますが、
果たして本物は今まで時間を重ねてきたモノなのか、
それとも科学的に証明されたモノなのか
これは永遠の謎になりそうな気がしました。

こうやって疑問を投げかけておいて、
いつまでもそれを気にさせておくというのが
またこの作品のタイトルのモチーフにもなっている
「えんどう豆の上にねたおひめさま」のような
状態にしているのかと思ってしまい
ラストまで気が抜けなく楽しめました。

森沢明夫 虹の岬の喫茶店 [作者ま行]


虹の岬の喫茶店 (幻冬舎文庫)

虹の岬の喫茶店 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 森沢 明夫
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2013/11/14
  • メディア: 文庫


ストーリーは小さな岬の先端にある喫茶店。
そこでは美味しいコーヒーとともに、
お客さんの人生に寄り添う音楽を選曲してくれる。
その店に引き寄せられるように集まる、
心に傷を抱えた人人―彼らの人生は、
その店との出逢いと女主人の言葉で、大きく変化し始める。
疲れた心にやさしさが染み入り、温かな感動で満たされる。
癒しの傑作感涙小説。

この本のカバーのイラストにあるような素朴な物が、
このストーリーの中でも繰り広げられていて、
美味しいコーヒーをどんなお客さんでも丁寧に淹れてくれるおばあさん。
このおばあさんのコーヒーと温かい言葉の不思議な魅力が
何とも癒されてほのぼのとさせられます。
こんなおばあさんになれたらという憧れや
こんな素敵な喫茶店があったら行ってみたいなと思いました。

おばあさんのこの温かく優しい言葉があるのには、
今まで積み重ねきたかけがえのないものと
夫をいつまでも想う気持ちと
切なくも素敵な気持ちなどがあるのかなとも思えたしりました。
素敵な気持ちをいつまでも持ちながら生きていく姿というのが
とても微笑ましく羨ましくも思えました。

おばあさんの淹れたコーヒーも美味しそうですが、
選曲されたBGMも良さそうなので
この本と合わせて聞いてみたらよりこの作品も楽しめるかと思いました。

おばあさんの言葉で印象的な台詞が
「人間って生きているうちに色々と大切なものを失うけれど、
でも一方ではアメイジンググレイスを授かっているのよね。
そのことにさえ気づけたら、あとは何とかなるものよ」

「人はね、いつかこうなりたいっていうイメージを持って、
 それを心の中で祈っているときは生きていけるの。
 どんなことがあってもね。
 でも夢とか希望とかをなくして、祈るものがなくなちゃうち、
 つい道と誤ったりするものなのよね」

「いろいろあって、自分の未来に夢も希望もないんだったら、
 他人の未来を祈ればいいんじゃない。
 (中略)
 そうゆう人の未来が少しでもいいものになりますようにって
 祈って、そのために行動していれば、
 人はそこそこ素敵に生きていけるのよ」
いつまでもこの台詞を覚えておきたいです。

堅苦しい言葉でなく、
優しい言葉で、特別な光景ではなく、
普通の光景と日常生活ばかりですが、
それがかえって親しみやすく心が時ほぐれされるのかもしれないです。
こんな場所と時間を見つけるのは現実的にはなかなか難しいですが、
この本では心をいつでも癒すことが出来ると思うので
そんな時にお勧めな一冊です。

益田ミリ 夜空の下で [作者ま行]


夜空の下で (集英社文庫 ま 22-2)

夜空の下で (集英社文庫 ま 22-2)

  • 作者: 益田 ミリ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2016/03/18
  • メディア: 文庫


ストーリーは遠い夜空を見上げると、そこには無数の星が見える。
帰り道、仕事の合間、散歩中。
それぞれの場所から夜空を見上げる人々を描き出すマンガ24編。
天文台職員のコラム、天体イベントカレンダーも収録。

益田ミリさんのいつものエッセイかと思い手にしましたが、
読み始めてみたら天文台に勤めている方とのコラボでした。

あまり宇宙の事に詳しくはないですが、
初歩的な事から丁寧に説明されているので分かりやすいです。

宇宙のことに対して漫画では身近に例えて描かれていたり、
そのちょっとした一言にまた閃きや人生の教訓などが
書かれているので共感してしまうことが多々ありました。

一瞬の美しい光を奇跡的に出来た地球の歴史の中で、
その光が見れるが偶然としか思えなくとても貴重なことだと
改めて思えてしまいました。

普段夜空を見上げる時間が少ないですが、
色々な偶然などを思いながら見ながら
思いを馳せるのも良いものだと思いました。

星にしても、人にしても私たちは
奇跡的な巡り合わせの中から暮している。
そんな巡り合わせだから大切にしたいと思い、
そして宇宙から見れば人間の悩みなんてちっぽけだということ。
小さなスケールの中で考えるのではなく、
時には宇宙のように大きなスケールで物事を
捉えるということも必要だなと思わされました。

天文イベントカレンダーが収録されているので
これから訪れる天体ショーに役立ちそうです。

まだ完全には宇宙の事を理解していないことがあるので、
またゆっくりと読み返してみたいと思います。
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短編少女 三浦しをん、荻原 浩、中田永一他 [作者ま行]


短編少女 (集英社文庫)

短編少女 (集英社文庫)

  • 作者: 三浦 しをん
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/04/20
  • メディア: 文庫


ストーリーは人気作家が「少女」をキーワードに紡いだ短編9本を収録したアンソロジー。
少女の微妙な心情や確かな成長が感じられることはもちろん、
各作家の個性も楽しむことができる贅沢な1冊。

てっぺん信号 三浦しをん
空は今日もスカイ 荻原浩
やさしい風の道 道尾秀介
ガーデン 中島京子
宗像くんと万年筆事件 中田永一
haircut17 加藤千恵
薄荷 橋本紡
きよしこの夜 島本理生
イエスタデー 村山由佳

今人気の作家さんが少女をテーマにした
短編作品のアンソロジーということで、
どれもそれぞれに個性が出ていて、
多感で揺れ動く少女をあらゆる角度から描かれていて
少女から大人になる微妙な心理描写が楽しめました。

女子独特な世界観が幼い頃から携えていますが、
大人の女性の世界とはまた少し違い
少女らしい繊細な心の世界観を味わえて
懐かしくもあり甘酸っぱい思いでいっぱいになりました。

特に印象的だった作品は「てっぺん信号」、
「宗像くんと万年筆事件」、「きよしこの夜」、
「イエスタディズ」。

「てっぺん信号」は切ない乙女心が上手く描かれていて、
あることで知り合うきっかけとなった初老の女性。
つっけんどな口調だけれど重みのある言葉の数々。
一番の問題は、悔いのない、だれに恥じることもない生き方を
死ぬまでできるかどうかだと思うんだけど、ちがう?
こうやって若い人も歳を重ねている人かた何かを吸収して
光りのある方へ目指していくというのは良い事だなと思いました。
一つ一つの言葉が大切に綴られているようなストーリーにも感じました。

荻原浩さんの「空は今日もスカイ」は読んでいくうちに
何処かで読んだことがあるフレーズだと思って解説を見てみると、
「海の見える理髪店」の中に収録されていたものでした。
また読んでみるとリズミカルな言葉で少女らしい世界が広がっていて
幼い頃の気分が味わえました。

「宗像くんと万年筆」は小学校が舞台となって、
唯一のこの本の中ではミステリーということもあって
他の作品とは違う切り口から少女が描かれています。
宗像くんの本格的な謎解きと不思議なキャラクターにが印象的です。
そんな彼に迷いながらも手を差し伸べてくれた女の子の
微妙な心が描かれているのも良かったです。

「haircut17」は17歳という何をするにても
中途半端な年齢のことに対して、
その年頃のような文体で書かれていたような気がして、
軽くもあり重くもある言葉の綴りのようでした。
ストーリーも他と比べると薄い感じで
まるでコバルト文庫を読んでいる感覚でした。

「きよしこの夜」はこの年頃でもいくら親しい友達に
でも誰にも言えないことが
更に悲しくも辛い出来事が心の中でいつまでも残って、
前に進もうとしても進めない悩める少女の心の描写が
リアルでとても切なかったです。
でも最後には苦しかった時間が終わりの兆しが見えて。
誰かに言って欲しかった言葉。
もらうのではなく、あげることで、救われることもある。
という言葉で読み手としても心が救われた思いがしました。

「イエスタデイズ」は唯一過去の回想から少女時代を振り返っています。
少女時代に誰でも身近な男の子が急にこんな風になったり、
それまで何も意識していなかったことがあることをきっかけに
男性というのことを意識してしまうという
どこかほろ苦いような経験が綴られています。
そしてそんな思いからある曲をきっかけにして
偶然の再会に遭遇することに。
ラストにはドラマチックになってこの先の展開が楽しみになってしまいました。

女性は自らのそれぞれの時代と成長過程と重ね合わせながら
アルバムをめくっていくかのように読んで楽しめるかと思います。

男性は男性とはまた違う繊細な心の移り変わりを読み取ってくれると
日頃の女性との付き合い方も少しは分かってくれるかなとも思いました。

読んだことのない作家の作品がここで読めて
けっこう気に入った作品もあったので
これをきっかけに他の作品も読んでみたくなりました。

益田ミリ 前進する日もしない日も [作者ま行]


前進する日もしない日も (幻冬舎文庫)

前進する日もしない日も (幻冬舎文庫)

  • 作者: 益田 ミリ
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2011/02/09
  • メディア: 文庫


ストーリーは着付け教室に通ったり、旅行に出かけたり、引っ越ししたり。
仕事もお金も人間関係も自分なりにやりくりできるようになった
30代後半から40歳にかけての日々。
完全に「大人」のエリアに踏み入れたけれど、
それでも時に泣きたくなることもあれば、
怒りに震える日だってある。
悲喜交々を、きらりと光る言葉で丁寧に描く共感度一二〇%のエッセイ集。

今回は30代後半から40歳にかけの
日々の暮らしをエッセイにしたものなので
あらゆるジャンルで幅広く色々な場面で楽しめました。

益田さんとは同じ世代なので共感をする所が多々あり、
自分だけでは無い共通な考え方や想いなどがあったので安心しました。

特に大人という文字が入っている章が印象的で、
後半部分の生きるということもなかなか深みのある言葉が
あって好きです。

毒舌まではいかないですが、そのギリギリ具合に砕けた感じに
書かれていて、程よくゆるさと苦さのようなものが
入り混じって何も考えずにさらりと読めるところが良いです。

エッセイも良かったですが、
その間にある大きな文字で書かれてあるひと言も好きで
ついそこだけを先に読んでしまうこともありました。

歳を重ねていくということは思い悩むこともあるけれど、
時にはゆっくりと立ち止まってみたり、
またはまだできることがあるかもしれないという希望を
持ち合わせたりしながらまた前に歩んでいくものだなとも思いました。

益田さんの十年後にまた今と同じ気持ちで
出会えたら良いなと思いました。
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