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益田ミリ 美しいものを見に行くツアーひとり参加 [作者ま行]


美しいものを見に行くツアーひとり参加

美しいものを見に行くツアーひとり参加

  • 作者: 益田 ミリ
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/09/21
  • メディア: 単行本


内容は 一回きりの人生。
行きたいところに行って、見たいものを見て、食べたいものを食べるのだ。
ツアーに申し込めば、どこにだって出かけられる!
41歳 北欧でオーロラを見た
42歳 ドイツのクリスマスマーケット
44歳 世界遺産モンサンミッシェル
45歳 ブラジル・リオのカーニバル
48歳 台湾で平渓天燈祭に参加

旅じたくからお土産、 団体旅行での身の処し方まで。
40代の旅は自分仕様。 エッセイとイラストと写真で構成。

益田さんの旅のエッセイは好きなので何冊か読んでいますが、
今回は写真付きになっているので更に具体的に
旅の風景が分かるので良かったです。

どの旅先も素敵な所ばかりで行ってみたい所ですが、
モンサンミッシェルは他の場所とは特に違う印象を受けたので、
一度は行ってみたい場所だと思ってしまいました。
ヨーローッパの旅の良さはやはり裏切ることなく、
何処の風景も絵になるのが再認識されます。

「行きたいところは、遠くからいくのが良いのよ。
 体力のあるうちにね。」
という旅行中に出会った歳を重ねた女性の言葉が印象的で
重みのある言葉でした。

旅したくからお土産、
団体行動での身のこなし方まで細かく書かれれいるので、
一人旅好きな人には実践的な物だと思います。

女性の一人旅、まして海外旅行となると色々と不便なことや
怖いことなどとありますが、ツアーにひとりで参加というのも
なかなか有意義で良いなと思いました。
旅を一人旅を上手くしている方というのは、
こうゆう所で上手くしているのだと初めて知った気がします。

なかなか旅行にも行けないので、
この本を読んで気分だけでも海外旅行に行った気分を味わえました。
それと同時にふと普段の生活に疲れた時に、
この本をまた捲ってみて心の旅をしてみたいと思いました。

行きたいところに行って、
見たいものを見て、
食べたいものを食べられることの幸せ。
これが一番の人生の醍醐味ではないでしょうか。
こんな人生を多く経験してみたいものです。

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湊かなえ 白ゆき姫殺人事件 [作者ま行]


白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫)

白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫)

  • 作者: 湊 かなえ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2014/02/20
  • メディア: 文庫


ストーリーーは化粧品会社の美人社員が黒こげの遺体で発見された。
ひょんなことから事件の糸口を掴んだ週刊誌のフリー記者、
赤星は独自に調査を始める。
人への聞き込みの結果、浮かび上がってきたのは行方不明になった被害者の同僚。
ネット上では憶測が飛び交い、週刊誌報道は過熱する一方、
匿名という名の皮をかぶった悪意と集団心理。
噂話の矛先は一体誰に刃を向けるのか。傑作長編ミステリー。

湊さんの作品は何冊か読んでいますが、
今回のは少し読みずらくていまいちすっきりしませんでした。
巻末にある参考資料のSNSや雑誌の記事などが、
もう少し分かりやすいと良かったと思いました。

犯人はいつも通り最後にならないと分からなくて
分かった時には驚きました。
それにしてもこの作品だけでなく実際の週刊誌などのマスコミは
同じように話を盛ったり、嘘や噂話ばかりが先行して
ヒートアップしていると思います。
容疑者や犯人でもないのに勝手に決めつけられてしまい、
そうなってしまった人のプライバシーや人権などは
どう考えているのかと思ってしまいました。

この作品を読むとまた女性の間での人間関係は表だけでは分からず、
裏を返すと本当に怖いなと思いました。

ミステリーというよりも過剰報道はくれぐれも注意するようにと
肝に銘じられる作品でもありました。


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益田ミリ こはる日記 [作者ま行]


こはる日記

こはる日記

  • 作者: 益田 ミリ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/10/20
  • メディア: 単行本


十代の学生時代の事が、
まるでついこの間の事のように細かく描かれていました。
将来の事、家族の事、思春期の身体の事、
恋の事など今とは違った事が沢山書かれていて
自分の青春時代と重ね合わせながら読めました。
こはるさんようにこれほどまでナイーブな
心模様にはなっていませんでしたが、
同じ様な悩みも多々あり共感出来てほっとしました。
でも友達やグループをパスポートという考え方は
した事がないのでちょっと友達に対して
失礼ではないかと思ってしまいました。

こはるさんはその後どんな恋愛をして、
どんな大人になり人生を送ったのかちょっと知りたい気がするので
この続編があったら読みたいと思います。

懐かしいあの頃に戻れる作品でもあり、
これからこの年頃を迎える学生さんにも楽しめる作品だと思います。

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益田ミリ 泣き虫チエ子さん 旅情編 [作者ま行]


泣き虫チエ子さん 旅情編 (集英社文庫 ま 22-4)

泣き虫チエ子さん 旅情編 (集英社文庫 ま 22-4)

  • 作者: 益田 ミリ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/08/22
  • メディア: 文庫


ストーリーは秘書のチエ子さんと靴修理屋のサクちゃん。
仲良し夫婦は日々の暮らしや旅先で、
支えあったりぶつかったりしながら生きています。
ささやかな日常の大切さに気付かせてくれるほんわかコミック。

泣き虫チエ子さん愛情編を読んで良かったので続いて読みました。
今回もチエ子さんの心配性とサクちゃんへ対する想いが
あちこちで見られて愛情一杯でした。

今回は旅情編で浅草で食べ歩き、箱根で温泉、
山形で一人旅と日常生活では見られない一面が垣間見れました。
こんな風に素敵な景色に出会い、
美味しい物を食べ、大切な人との時間を作れるというのは
本当に幸せで贅沢な時間で宝物だと思いました。

「大人になるということ」、「肩もみの数え方」、
「わたしたちの一生」はちょっと切なくて
この作品をきっかけに普段の生活にも思い返してしまいそうです。

心配症なチエ子さんだけれど、
それに対して大らかなサクちゃんは本当にお似合いです。
この夫婦のように何気ない日常を大切にして
お互いを思い合えて支えていけたら素敵な夫婦だなと思います。

夫婦二人の生活もこんなに素敵だなと思える作品で、
今回もほっこりと心温まりました。
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益田ミリ 今日の人生 [作者ま行]




ストーリーはむなしい日も、幸せな日も、おいしいものを食べた日も、
永遠の別れが訪れた日も……。
益田ミリさんの人生がつまり、初めて「死」について書いた著者の転換点となる最高傑作・コミックエッセイ。
「みんなのミシマガジン」の人気連載「今日の人生」4年分が一冊に。

益田さんの作品は好きなので何冊も読んでいますが、
今回は全体的に少し切ない雰囲気が多かったように思えます。
けれど何気ない日常の中で過ごしていることを
細やかな視点で捉え、
それをただ見たままに思うのではなく、
様々な考え方で表現をしていて共感できることが沢山ありました。

毎日繰り返される平凡な日々からこそ、
小さな幸せが生まれたり、
それが後に自分の積み重ねた人生となっていき
なかなかどれも考え深いものでした。

印象に残ったもので
電車の中で盲導犬が足したで小さく伏せているのを見ていると、
これどのまでに誰かの役に立ったことはあるのだろうかと思った今日の人生。
じわじわと言葉の意味が伝わり背筋を伸ばさせられるような気持ちになりました。

コミックの間にあるエッセイもかなりシリアスで切実なことが
書いてあったので ドキッとしてしまいました。

購入した本の間に挟んであった冊子も良かったです。
今はこのような手書きでのものはなかなか見れないので、
何だか懐かしくて可愛らしくて気に入ってしまいました。

本の表紙もカラフルですが、
中のページを開くとカラフルなので色によって気分も変わり
楽しく読めてユニークだと思いました。

人生とはかけがえのない一瞬の積み重ねということを
改めて大切にしなければいけないと思わせる作品です。
日常の小さなことを大事にしならが、
またのんびりとした時間を味わいたい時に再読したいと思います。
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森沢明夫 大事なことほど小声でささやく [作者ま行]


大事なことほど小声でささやく (幻冬舎文庫)

大事なことほど小声でささやく (幻冬舎文庫)

  • 作者: 森沢 明夫
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2015/08/05
  • メディア: 文庫


ストーリーは身長2メートル超のマッチョなオカマ・ゴンママ。
昼はジムで体を鍛え、夜はジム仲間が通うスナックを営む。
名物は悩みに合わせた特別なカクテル。
励ましの言葉を添えることも忘れない。
いつもは明るいゴンママだが、突如独りで生きる不安に襲われる。
その時、ゴンママを救ったのは、過去に人を励ました際の自分の言葉だった。
笑って泣ける人情小説。

オカマで超マッチョなゴンママのキャラクターのインパクトが強くて
面白くこれに引きずり込まれて一気に読んでしまいました。
ジムにいるゴンママも良いけれど、
夜のスナックでのゴンママの方がここに集まる人達との
和気あいあいとした雰囲気が良く、
本領発揮が出来ているような気がして、
ここでの励ましの言葉にはどれも共感出来ました。

こんな誰にでもパワーを与えてしまうゴンママですが、
一人になるとひとしきり孤独感を味わってしまうことがあるというのが意外でした。
そのギャップ感にもまた惹かれてしまう魅力もあって
とても人間味のあるキャラクターでこんな人に出会ってみたいです。
時々会話の中にある下ネタも少し笑えてしまうのもゴンママの良さかもしれないです。

毎回主人公が変わるオムニバス式で構成されていますが、
どの場面でもその人に合ったカクテルが登場します。
そのカクテルの名前にも特別な意味があり、
それもストーリーの中でも良い味を出していて興味をそそられます。

特に印象的な言葉は
 人生に大切なのはね、自分に何が起こったかじゃなくて、
 そのまま受け入れればいいの。
 どうせ過去は変えようがないんだから。
 でもね、考え方ひとつで、
 起こったことをチャンスに変えられることができるの。
 ピンチはチャンスよ。

 悲しいときはしゃべらなくていいのよ。
 泣けばいいの。
 寡黙っていう意味のソルティードッグを飲んで、おいおいでも、
 しくしくでも、泣けばいいのよ。
 沈黙が辛いなら、辛いって言えばいいじゃない。

 あなたが生きられるのは、いまこの瞬間だけなの。
 過去と未来を思い煩っても、それは無駄なだけ。
 やり直すことのできない過去を悲しんでいたら、
 せっかく生きている「いま」が不幸になっつちゃうだけでしょ?
 それにへ、まだ来てもいない未来を不安がっても仕方ないじゃない。
 大切な「いま」をつまらなくするだけだわ。
 辛い過去になんてとらわれないで、未来の不安もぜーんぶ忘れて、
 いまこの瞬間だけをしっかりと味わって生きなさい。
 それが、禅の「幸せに生きる極意」なのよ。

ラストも清々しく終わっていたので、
また次への希望へと繋がりました。
この続きも知りたくて読みたいので、
ゴンママシリーズでまた新しい作品が出たら良いなと思いました。

この本のタイトルを読んだだけでも興味を持ちましたが、
この言葉通りに作品中の素敵な言葉も小声で伝えたく、
この作品の良さも小声でじっくりと
誰かに教えたいくらいお勧めな作品でした。

何かに躓いてしまったり、
生きるのに疲れてしまったりと
人生は山あり谷ありなので
そんな折にまたこの作品を再読してみたいと思います。

森沢さんの作品を何冊か読み始めましたが、
どれを読んでもすんなりと心に入って
何事も前向きになり優しい心になるので
まだ読んでいない作品もどんどんと読み進めたいと思います。


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宮下奈都 神さまたちの遊ぶ庭 [作者ま行]


神さまたちの遊ぶ庭 (光文社文庫)

神さまたちの遊ぶ庭 (光文社文庫)

  • 作者: 宮下 奈都
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2017/07/11
  • メディア: 文庫


ストーリーは北海道のちょうど真ん中、
十勝・大雪山国立公園にあるトムラウシ。
スーパーまで三十七キロという場所へ引っ越した宮下家。
寒さや虫などに悩まされながら、壮大な大自然、
そこで生きる人々の逞しさと優しさに触れ、さまざまな経験をすることになる。
『スコーレNo.4』の宮下奈都が「山」での一年間を綴った感動エッセイを文庫化。
巻末に、「それから」を特別収録。

「羊と鋼の森』を読んでとても良かったので
その後少しずつ読み始めてこちらを手に取りました。
エッセイは初めてです。

自然の中で暮らすというのはよく聞きますが、
宮下家の暮した所は北海道の十勝で壮大な大自然の中なので
スケールが大きすぎて想像もつかなかったです。

今まで暮らしてきた場所とは全然違う環境の中で
どのようになっていくのかとこちらも山村留学をしている気分でした。
住めば都とはよくいったもので、
環境に不自由があっても無いものが当たり前となっていくのが
目に見えて分かっていくのが面白いくらいでした。
物がなくてもその分目の前にあるすぐ近くの自然が
全部代わりとなって素敵な物へとプレゼントされているように思いました。

大人になってこれだけの環境を変えるというのはなかなか出来ないので
とても貴重な経験だと思いますが、三人の子供さんにとっても
とてもプラスになった経験で滞在前よりも立派に成長されたなと思いました。
「教室に座って勉強するより、
 雪山で遊んで身につけることの方が大事じゃないかな」
という言葉に納得です。
宮下さんのそれぞれの子供さんの性格がよく表れていて、
弾むような会話やユニークな会話が微笑ましかったです。
また地域の人とのコミュニティや学校行事などが
一方向だけではなく、家庭と地域と学校といちがんとなって
行われいるのがとても素晴らしいなと思いました。

読み始めは子供さんのことばかり書かれていたので、
子育て日記のように思えていましたが、
それがいつの間にか無くなりすっかり最後には
三人の子供さんの応援をしたくなってしまいました。

家族の楽しい会話の合間に
宮下さんの社会に対するクールな言葉や人生への教訓になる言葉も
なかなか良かったです。
「チャンスの神様は前髪しかないというけれど、
 チャンスの神様がふさふさであることを思い出す。
 チャンスはまたきっとまた来る。」
この言葉も素敵です。

自然の中で生き生きとした姿はどれも良かったです。
やはり人間は自然と共に寄り添いながら暮らしていく方が、
心身ともに豊かになれるとつくづく思わされた作品でした。

トムラウシに住んだからこそ「羊と鋼の森」の作品が生まれて、
神さまからのプレゼントで直木賞受賞をしたのかなとも
思えたりしました。
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益田ミリ 沢村さん家のこんな毎日 平均年令60歳の家族と愛犬篇 [作者ま行]


沢村さん家のこんな毎日 平均年令60歳の家族と愛犬篇 (文春文庫)

沢村さん家のこんな毎日 平均年令60歳の家族と愛犬篇 (文春文庫)

  • 作者: 益田 ミリ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/07/06
  • メディア: 文庫


ストーリーは年をとってきた両親と40歳の娘との3人暮らしを
描いた沢村さん家のホーム・コミック。
『沢村さん家のこんな毎日』『沢村さん家はもう犬を飼わない』を
1冊にまとめたお得な文庫版。

仲良く温和な四朗さんと典江さんですが、
お母さんの典江さんが意外にもお父さんに対して突っ込みをしたり、
40代独身の娘に対してもきついひと言などがあったりして
それが良いバランスを取っていて面白いです。

ただ40歳過ぎた頃になった歳なりの
現実的な事が出て来るので共感できるところもありますが、
段々それが切ない思いにもなったりして少し複雑でした。

誰でも歳を重ねるとそれなりに焦りや悩みなどが出てきますが、
そうゆうのをコミックで読むと同じなんだなと思えて
少しほっと出来ます。

両親が早くに他界してしまったので、
高齢になった両親とテレビを観ながら団欒をしたり、
何気ない日常的な会話をするのも良いなと思い
羨ましく思いました。

会社のトイレのことはまさに「あなどれない」なくて
思わず納得してくすりとしてしまいました。
確かにこうゆうことはあったなと思い返してみたりして。
人は見かけだけでなく、見えない所も大事だなと思わされます。

特別なことが無くても日々を普通に平凡に過ごせることが
一番幸せなことなんだとつくづく思わされる作品です。
毎日同じことの繰り返しが虚しい日もあれば、
幸せだと感じる日もある。
当たり前のことですが、なんだか深みのある言葉なとも思いました。

益田さんの作品は何冊も読んでいますが、
沢村さん家のコミック本は初めてで
他のコミックとは違ってしみじみとして、
どこかほろりとさせられる作品でした。


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湊かなえ 豆の上で眠る [作者ま行]


豆の上で眠る (新潮文庫)

豆の上で眠る (新潮文庫)

  • 作者: 湊 かなえ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/06/28
  • メディア: 文庫


ストーリーは 小学校一年生の時、結衣子の二歳上の姉・万佑子が失踪した。
スーパーに残された帽子、不審な白い車の目撃証言、そして変質者の噂。
必死に捜す結衣子たちの前に、二年後、姉を名乗る見知らぬ少女が帰ってきた。
喜ぶ家族の中で、しかし自分だけが、大学生になった今も微かな違和感を抱き続けている。
―お姉ちゃん、あなたは本物なの?
辿り着いた真実に足元から頽れる衝撃の姉妹ミステリー。


妹は元々姉に対して劣等感を持っていて、
姉が失踪している期間はそれが無くなるかと思えば、
かえって姉に対しての思いが強くなり
苦しい関係はいつになっても拭いきれなくて読んでいくうちの
妹の結衣子が可愛そうに思えてきました。

姉妹というのは仲が良いと人が羨ましがるほどなのに、
この姉妹のように仲が悪い場合だと
こんな風なケースになるのかなと思ってしまいました。
異性の兄弟の微妙な心境というもの垣間見れた気がします。

姉が時には妹だけでなく祖母の目から見ても
今までの姉とは明かに違うという思いがしたのは
何かあるのかと思い、真相が徐々に暴かれるまでは
ワクワクして読んでいました。
けれど真相に辿り着くまでにはかなり長かったのでもどかしかったです。

それにしてもこの母親の育て方は同じ姉妹なのに
扱い方に差がありすぎたり、
周囲の対して気にし過ぎたり、言わゆる世間体というのを気にしすぎで
こんな母親の下にいるのは心が歪んでしまいそうです。
そんな思いも妹に影響があるように思えていたたまれなかったです。
そんな時にふと寄り添うように祖母さんがいてくれたのが
少し救いだったようにも感じられました。

真相を明かすことになってからは
特に劇的なラストということではなかったですが、
結局はある人の親のエゴでこんな苦しい思いをさせられ、
人生を翻弄させられてしまったのかと思うと
妹だけでなく子供たちにとっていい迷惑だったと思ってしまいます。

「本ものってなんですか?」
という疑問がありますが、
果たして本物は今まで時間を重ねてきたモノなのか、
それとも科学的に証明されたモノなのか
これは永遠の謎になりそうな気がしました。

こうやって疑問を投げかけておいて、
いつまでもそれを気にさせておくというのが
またこの作品のタイトルのモチーフにもなっている
「えんどう豆の上にねたおひめさま」のような
状態にしているのかと思ってしまい
ラストまで気が抜けなく楽しめました。

森沢明夫 虹の岬の喫茶店 [作者ま行]


虹の岬の喫茶店 (幻冬舎文庫)

虹の岬の喫茶店 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 森沢 明夫
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2013/11/14
  • メディア: 文庫


ストーリーは小さな岬の先端にある喫茶店。
そこでは美味しいコーヒーとともに、
お客さんの人生に寄り添う音楽を選曲してくれる。
その店に引き寄せられるように集まる、
心に傷を抱えた人人―彼らの人生は、
その店との出逢いと女主人の言葉で、大きく変化し始める。
疲れた心にやさしさが染み入り、温かな感動で満たされる。
癒しの傑作感涙小説。

この本のカバーのイラストにあるような素朴な物が、
このストーリーの中でも繰り広げられていて、
美味しいコーヒーをどんなお客さんでも丁寧に淹れてくれるおばあさん。
このおばあさんのコーヒーと温かい言葉の不思議な魅力が
何とも癒されてほのぼのとさせられます。
こんなおばあさんになれたらという憧れや
こんな素敵な喫茶店があったら行ってみたいなと思いました。

おばあさんのこの温かく優しい言葉があるのには、
今まで積み重ねきたかけがえのないものと
夫をいつまでも想う気持ちと
切なくも素敵な気持ちなどがあるのかなとも思えたしりました。
素敵な気持ちをいつまでも持ちながら生きていく姿というのが
とても微笑ましく羨ましくも思えました。

おばあさんの淹れたコーヒーも美味しそうですが、
選曲されたBGMも良さそうなので
この本と合わせて聞いてみたらよりこの作品も楽しめるかと思いました。

おばあさんの言葉で印象的な台詞が
「人間って生きているうちに色々と大切なものを失うけれど、
でも一方ではアメイジンググレイスを授かっているのよね。
そのことにさえ気づけたら、あとは何とかなるものよ」

「人はね、いつかこうなりたいっていうイメージを持って、
 それを心の中で祈っているときは生きていけるの。
 どんなことがあってもね。
 でも夢とか希望とかをなくして、祈るものがなくなちゃうち、
 つい道と誤ったりするものなのよね」

「いろいろあって、自分の未来に夢も希望もないんだったら、
 他人の未来を祈ればいいんじゃない。
 (中略)
 そうゆう人の未来が少しでもいいものになりますようにって
 祈って、そのために行動していれば、
 人はそこそこ素敵に生きていけるのよ」
いつまでもこの台詞を覚えておきたいです。

堅苦しい言葉でなく、
優しい言葉で、特別な光景ではなく、
普通の光景と日常生活ばかりですが、
それがかえって親しみやすく心が時ほぐれされるのかもしれないです。
こんな場所と時間を見つけるのは現実的にはなかなか難しいですが、
この本では心をいつでも癒すことが出来ると思うので
そんな時にお勧めな一冊です。

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