So-net無料ブログ作成

原田マハ 星がひとつほしいとの祈り [作者は行]


星がひとつほしいとの祈り (実業之日本社文庫)

星がひとつほしいとの祈り (実業之日本社文庫)

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2013/10/04
  • メディア: 文庫


ストーリーは時代がどんな暗雲におおわれようとも、
あなたという星は輝きつづける――
注目の著者が静かな筆致で描く、20代から50代まで、
各世代の希望と祈りを見つめ続けた七つの物語。

椿姫 La travita
夜明けまで Before the Daybreak Comes
星がひとつほしいとの祈り Pray for a Star
寄り道 On Her Way Home
斉唱 The Harmony
長良川 River runs Tharough It
沈下橋 Loverlei

女性の様々な世代に渡って人生の節目、決断をする時などと
様々な物語が綴られています。

原田さんの作品は好きなので何冊か読んでいますが、
「さいはての彼女」、「生きるぼくら」などのように
力強く明るいものでは無いですが、
静寂の中に切なくもあり、その中でゆっくりと小さな光が
注がれているという感じで読み終わってからも
じんわりと味わうものがありました。

原田さんの作品では旅の中での物語がよくあり、
今回も殆どにありました。
それで地元の方言や美しいその時の風景などが丁寧に描かれているので
とても読んでいて心地良いものでした。

解説にもありましたが「さいはての彼女」に収録されていた
「旅をあきらめた友と、その母への手紙」のハグとナガラが
この作品にも登場されいて続編のようになっているので
少し得をした気分になりました。
こうゆう小さな所で以前の作品が登場するというのも
他の作品を読んできた面白さを振り返ることが出来るので良いです。

どの作品も良かったですが、中でも良かったものは
「星がひとつほしいとの祈り」と「長良川」です。
「星がひとつほしいとの祈り」は他の作品とは少しテイストが違い
昔話かおとぎ話でも聞いているような気にもなりました。
丁寧なヨネさんの喋り方や慎ましくも力強い人生、
そして心温かい人柄とても心が打たれました。

「長良川」では亡き夫との思い出やエピソードが語られている部分は
夫と優しさや人柄がとてもよく出ていてそれがまた涙をそそられました。
こんな風にお互いを思い合える夫婦が素敵だと思い、
それをまた娘夫婦が軌跡として繋いでいるのが微笑ましかったです。
夫がふと語る言葉がどれも素朴でいて可愛らしくて好きです。
中でも 
 川があって橋が架かって、人々が行き来して。
 川辺があって、家が並んで、釣り人が糸を垂れて。
 水鳥、魚、鵜舟、大昔から続いている、人間の営み、
 その中心を、静かに流れていく川。
 人間ってちっつちゃいよな。でも、ちっちゃいなりに、
 川と一生懸命に付き合っているんだな。
 人間って、なんだか可愛いな。
 そんなふうに思って、おれもちっちゃい、可愛いもんだ、って。

特別インパクトある言葉がある訳でもなく、
普通の言葉ですがどこか心を和ませたり、癒されることがあり、
それによって人生の節目などで落ち込んだ時に読んだら
背中をそっと押してくれそうな作品ばかりなので
また再読したい一冊になりました。

nice!(0)  コメント(0) 
メッセージを送る