So-net無料ブログ作成

湊かなえ 物語のおわり [作者ま行]


物語のおわり (朝日文庫)

物語のおわり (朝日文庫)

  • 作者: 湊 かなえ
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2018/01/04
  • メディア: 文庫


結末の書かれていない「空の彼方へ」という小説が
北海道を旅する人達にバトンタッチされていく形になっています。
この作品の結末を読者に任せるという手法が面白いです。
そして旅先での登場人物がさりげなく現われて、
さりげなく小説が渡されていくのが見事でした。

最後までどんな結末になるのかワクワク感が止めらず、
旅先での登場人物と同じようにラストの結末を
色々な方向から想像をさせられました。
人生の岐路や置かれた環境など様々な所で、
この作品への思いや考え方が全然異なってくるのが、
また面白く考えさせられることばかりでした。

結末の書かれていない小説の行方とそれを書いた女性の行方は
どうなってしまったのかと思えば、後半になりデジャブーのように
同じストーリーが出てきて、これも過去から未来へと
見事にバトンタッチされていて読んだ後にもすっきりとしました。

どんな時代でも夢を追い求める人、
夢を諦める人、夢を助ける人、夢を妨害する人がいて
これがあるからこそ人生は苦しくも歩きにくいものであっても
最後には笑ってまた歩き出せるという希望があることを
また思い知らせてくれたような気がしました。
そして歳を重ねても何か一つ小さなものでも良いから、
夢を持ち続けていたいなと思いました。

ストーリーの舞台が札幌、小樽、洞爺湖、旭川、美瑛、富良野、
網走、摩周湖、知床と北海道になっていて風光明媚な場所
ばかりだったので一度は北海道へ旅してみたいと思っているので、
益々北海道の良さが伝わって行ってみたくなりました。

湊さんの作品というとミステーでどちらかというと
グロテスクでドロドロとした印象がありますが、
この作品ではそれは一切なく、読了後は清々しい気持ちになりました。

湊さんの新境地の作品だと思うのでお勧めな一冊だと思います。
nice!(1)  コメント(0) 
メッセージを送る